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安倍川貴菜子の日常
【コメディ 恋愛小説】

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安倍川貴菜子の日常(4)-7

教室で貴菜子に用件を伝え一人で先に公園のベンチに座っていた護を貴菜子が見つけるとそこまで走ってくる。
「はぁはぁ…お、おまたせ。えと、それで用事って神野くんのお仕事の事かな?」
どうやら教室からここまで貴菜子は走ってきたらしく、息を切らせながら護の隣にへたり込む様に座ったのだった。
「ああ、安倍川にはこれから読んでもらいたい本があるんだけど時間は大丈夫か?」
「うん、時間は大丈夫だけど私に読ませたい本ってサンタさんの本?」
「その通りだ。これから安倍川に読んでもらうのはサンタになる為の教本みたいなものだ」
「へぇ〜、そんなのがあるんだぁ」
教本の存在に驚く貴菜子を護はあまり気にせず「それじゃ、行こうか」と言うとベンチから腰を上げる。
「行こうかってどこに行くの?」
「俺の家…。悪いけど教本は外に持ち歩くシロモノじゃないんでね」
「………ええっっ!?じ、神野くんの家に行くの!?お、おお、お邪魔しちゃってもいいのかなぁ?」
「何を考えてるのか分からんけどあまり気にしないでくれ。実際、圭吾や若菜も普通に出入りしてるから安倍川が来ても問題はない」
護からいきなり自分の家に来る様に言われ思いっきりうろたえる貴菜子に対し、そう言った護は意外と平然としていた。
貴菜子にしてみれば今の今まで男の子の家に遊びに行く事すら殆ど無かったので護の誘いに動揺するのは当然といえば当然だった。
そして女の子に免疫の無い護が貴菜子を普通に家に誘えたのは幼馴染の若菜がよく遊びに来ている事と、学校の屋上でエドに言い包められた事があったからだった。
こうして、護と貴菜子は公園を出て護が住むマンションへと向かうのだった。
 
「……お邪魔しまーす」
初めて護の住むマンションに訪れる事になり動揺しまくっていた貴菜子だったが、第一声は意外と普通なものだった。
そして二人がリビングに入ると護は鞄をソファーの上に置き、貴菜子に座って待ってる様に言うとそのままリビングを出て行ってしまったのだ。
一人リビングに残された貴菜子はちょっとだけ不安を感じながらソファーに座ると自分の鞄からチョコを出して話しかけるのだった。
「チョコちゃん、私ここまで来ちゃったけど大丈夫かなぁ?」
「ここでそんな事を気にしてもしょうがないでしよ、ご主人ちゃま」
不安そうにしている貴菜子をチョコが宥めていると、ソファーに置いてあった護の鞄からエドがゴソゴソと這い出してきて笑顔で貴菜子を見つめた。
「まあ、今更細かい事を考えてもしょーがないってもんよ。貴菜子ちゃんは護の手伝いをするって決めたんだし、協会の方も手伝いを許可してくれたんだからもっと堂々としなって。それに、俺も護も貴菜子ちゃんを家に連れ込んでどうこうしようなんて思ってないんだから」
エドの言った最後の方の言葉に貴菜子が過剰反応を起こし顔を真っ赤にさせ俯くと、チョコがエドを睨み付け文句を言ってきた。


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