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俺が女に見える世界の話
【同性愛♂ 官能小説】

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俺が女に見える世界の話3-1

俺は媚薬が消えるまで何度も梶原さんとセックスをした。
考える力がもう無かった。
朝になり、追加の薬は居るかい?と聞かれたが、少し待ってくださいと言って、店に置いてあった梶原さんの着替えを借りて店を後にした。

身体は物理的な変化をしていた。
痛みが無かったとはいえ、急激にあんな変化がある物が身体にいい訳がない。
最悪死ぬか、障害が残るか。
または、女性のまま戻らなくなるか。
副作用は検証済と言っていたが、信用なんてできない。

女性にはなりたくない理由が他にもあった。

女性は男性の思い込んでいるよりずっと得はしないと実感した。
生活上の不便さはすぐに感じた。
生理は無かったが、それに似た体調の悪さが何度かあった。
世間が要求する、容姿の完璧さの窮屈感も半端ないと思った。
親父ですら、外に出るなら化粧くらいしろ、と言ってくるのだ。
それに、男性の湿った不快な視線、あらゆる種類のセクハラや痴漢はどこに居ても誰にでも受けていた。
美人だからということで、女性からも、違う種類の嫌な態度を受けることは日常茶飯事だった。
これを楽しんで生きていける女性は、ずるいと言うよりメンタルが強すぎて俺は逆に尊敬できるとすら思った。

セックスに関しても、男性のままが良いと感じる事が一つある。
実は男性に戻る前、俺は2人の中年男性に抱かれた。
興味があったし、いままでノンケでしかなかった男達と夜を共にできると思うとそれは当然魅力的だったからだ。

でもそれは数回で興味を無くした。
男性が恋人ではない女性を抱く時、それがどんなに自身には理想以上の容姿であっても、結局は所有という形でしか事を行わない事が分かったのだ。

男同士だって勿論、ハッテン場なんかで性欲を捨てるようにセックスをする事は多いだろう。
でもそれはお互いの身体を使った発散であり、意味を持たない。
だが、女性を相手にする男性達は、必ず「俺の物」という態度で行為に及び、抱いたことを誇りとし、抱かれた女性を「伴侶じゃない男に身体を許してしまった女」と見下す。
うっすらと感じていた俺のノンケ男性に対する嫌悪感が、女になる事で確定した。

梶原さんとセックスをした翌日、俺は親父にLINEを送って男に戻った事を伝えてから帰った。
親父はメッセージ上こそ残念がって居たが、俺を見るなり「やっぱりお前はお前だな」と言ってくれた。

数日経って、仕事を探し始めた。
梶原さんにはあれからまだ会っていない。

生活に困らせるような事をした、と謝罪が電話で有り、当面の生活費を渡すと言ってきたのを、俺は受け入れた。
状況こそ犯罪的ではあったが、やっぱりこの人はとても優しい人なのではないか、と思い返していたのだ。
セックスが終わる度に梶原さんが見せる、眩しそうに俺を見る目、頬をなぞる手の柔らかさに、俺は整理のつかない心地良さを感じていた。

俺は、それとなく梶原さんの事を聞いてみた。

「あー…それ志田くんかな?昔会ったけどそれからは対面すること無かったけど良い取引相手だったよ。というかなんで知ってるんだお前?」

俺は痴漢されたのを助けて貰った事、駅前に完全紹介制のバーを開いている事を教えた。

「へぇー!近くに居たんだ!
その、著名人しか来ないバーてのがいけ好かないから誘われても行かんが、定年後連絡もしなかったからなぁ。ちょっと会ってみたいな」
「そっか。今度言っておくよ」
「それよりお前…まさか女の時に抱かれたんじゃないだろうな?」
「え?そんな、いや?」
「マジかよ!確かに昔から見た目だけがコワモテだし、年取ったらお前のタイプそうだなぁ!」
「してませんって…」
「え、てかお前が男なの知ってるのか?…ということは、男でも抱かれたんか…?あいつ両刀?そうかぁー」

一人で盛り上がる親父になんとなくウンザリして部屋に行こうとすると、親父が「そう言えば」と言い出したので立ち止まった。

「志田くんの息子って確かトランスジェンダーだったよな…亡くなったけど」
「え、そうなの…?」
「ああ。確か、手術までして…
でも、志田くんに似て骨格ががっちりしてるから、…なんつったけ?見た目がうまくない的な…」
「パスできない?」
「それだ。それで悩んじゃって、自殺しちゃったらしいんだよなぁ…」

梶原さんは、何の目的で男性を女性に変える薬を作ったのか。
答えはおそらくそれだ。
正しいとしたら、俺はもう一度あの人に会ってみたい。
急に思いが込み上げてきた。

「え…てことは、お前が女になったのって…
そう言えば薬品会社に出資したいって俺の定年前に言ってたな?
おい、お前、も一回薬打たれてこい!揉ませろ!」
「嫌ですー」
「クッソ…俺が美女になっても意味ねぇしなぁ…
いや、俺が美女になったら?自分で揉んで?弄って?気持ち良くなって…
…なんだよそれ最高じゃねぇか!おい!今からアポ取れ!」

梶原さんを親父に会わせるのはよそうと思う。


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