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先輩のセカンドバージンは僕のもの
【熟女/人妻 官能小説】

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同僚への嫉妬-6

「ん……僕は、好きな人いるって確かに伝えた」

「天下のヤリチン佐藤理央に好きなやつがいたんだ」

「だから、寂しくて、中村さんに甘えた」

「ーー相手が悪い。俺、たったそれだけの感情で近づいたならマジで怒るよ。加奈ちゃん、あんなに真面目なのに。子供ができた時だって、何かの間違いだと思ったくらいで。
でも、話戻すけど。俺が加奈ちゃんって呼んだの、佐藤がうっかり聞いた時のあの顔、たったそれだけの感情からくるもんじゃないと思うけど」

亨はお通しのからしきゅうりに箸をつけて、口に運ぶ。
「からっ、鼻つーんときた!」と小さく叫ぶと、もしゃもしゃと咀嚼しながら、理央の方を向く。


「ーーだよね。僕もそう思う」

はっきりと芽生えた嫉妬の感情。
他の男に名前を呼ばれただけで、犯す勢いで加奈子の体を会社で押し倒した。

今はっきりと、他人の前で加奈子への感情を、理央は認めたのだ。

「僕、亨が加奈ちゃんって呼んでるの聞いた時死ぬほどムカついた」

ぽんぽん、と左手で理央は背中を叩かれる。

「だろ。佐藤がそんなこと言うなんて珍しいもん。佐藤は子供っぽいけどさ、接触する女はきちんと選んでんだよな。会社の女の子と飯食いに行くのだって避けるじゃん。
ーーでも、そういう意味で言うなら、そもそも加奈ちゃんは、選ぶとかいう以前に避けられなかったんじゃないの」

理央はビールのジョッキを見つめていたが「避けられなかったんじゃないの」という言葉に、はっと目を丸くする。

「会社の女の子ともし飯食ったら、もし寝ちゃったら、もし面倒くさくなったら、とかそんなことすら考えられなかったんじゃん。頭のいいお前がさ。しかもチョーゼツ、ドがつく真面目の加奈ちゃんだよ?リスクのことなんか考えたら絶対、佐藤が選ばないタイプでしょ」

「確かに」

ビールをごくごくと口につけると、だんっと音を立ててジョッキを置いた。

十年も一人で子供を育ててきたことを知った時に沸き起こった、感情。
今まで加奈子に対して思ったことのない感情だったのを思い返す。

そして、咄嗟に……


ーー僕、ご飯とか誘えないですよね。お子さんいるから、遅くは無理でしょう?


会社の女性と食事に行くことを避ける理央は、即座に加奈子を誘ったのだった。

そう。初めから特別だったのだ。

佳織のことは確かに好きだ。
だが、加奈子といることで、他の女では紛らわすことのできない佳織への感情を忘れさせてくれた。
それがたとえ上書きだったとしても、他の女ではできなかったことだった。初めから特別だったのだ。

そのことに今初めて、気付かされたのだった。


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