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チュー、したい!
【コメディ 恋愛小説】

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第六章 ギュッとしてくれた-2

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「イ、 イテェ・・・」
だけど、そんな器用なことができるはずもなく、僕は声を絞り出した。

目尻から涙が流れているのか、見上げる彼女の顔がボンヤリと滲んでいた。
ハラハラと心配そうになる表情を、僕は生まれて初めて見ることになった。

「大丈夫・・・・?」
心配で不安そうな顔に、僕は声を絞り出した。

「だって、こうすりゃ、胸キュンだって・・・」
最初、吉川さんは意味が分からなかったのか、不思議そうな表情のままだった。

「や、山田が・・・告白する時の、極意だって・・・」
そこまで聞くと、唇を噛んだ彼女の表情がワナワナと震えるのが分かった。

まるで、何かに向かって怒っているように。


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