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『僕っていけない女の子?』
【SM 官能小説】

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『僕っていけない女の子?』-12

(4)
 夕食後、僕は副院長室に呼ばれた。
 なんだか人に隠れて悪いことをするガキのような後ろめたい気分で胸をときめかせながら副院長室に入ると、僕を待ち構えていたのは女医だけではなかった。
 白髪で口髭を蓄え、どことなく風格のある初老の男、後で院長だということが分かった男の人がソファにデンと腰を据えて座っていた。
「ええっ、やだっ」
「気にしないでいいのよ。この方もカオルの治療をして下さるお医者さんだから」
 美魔女も反対側のソファに座って、僕に微笑みかけてきた。
「で、でも……」
 男の人が一緒とは思っていなくて、全身が小刻みに震えた。
(まさかこの人の前で、昨日のような矯正治療を受けるの……?)
そんな恥ずかしいことに耐えられるはずがない。
「うははっ。入院患者たちがあれだけ噂してるだけのことはあるな……虐め甲斐のある実に可愛い子じゃないか」
初老の男の窪んだ目が僕の美貌と患者服を着た身体を嫌らしくねっとりと舐め回すように見ていた。女の子の品定めでもするような目付きだ。
「院長先生ったら。ダメですよ、そんなに最初からガッツイちゃ」
「うはっはっ。ガッツキたくもなるじゃないか。信じられん話だが、こんな身体で自分は男性だと認識してる脳を持ってんだろ。貴重な性倒錯のサンプルだ。矯正の仕方をいろいろ考えてやらなきゃな」
 院長の目がギラッと光って、もう一度僕の目を好奇の目で覗き込んできた。
「な、何なんだよ……そんな変な目で見るなよっ」
 僕をまるで性分裂の変な生き物のように見られて、思わず口走ってしまった。

「カオル、ダメじゃないのっ。それじゃ、昨日の矯正が台無しよ。お仕置きね」
 美魔女が恐ろしい剣幕で、僕を𠮟りつけてきた。矯正治療の時には、女言葉を使うことを昨日の最後に僕は誓わされていた。
「ああっ。ごめんなさいっ……わ、わたし、驚いちゃって……」
 院長の突き刺さるような視線を意識しながら、美魔女に詫びを入れていた。
 でも許してくれないのが美魔女だ。
「ダメよ。そこで脱いで、カオルの裸、院長先生にじっくりと見て頂くの」
「えっ、そんなぁっ……」

僕はどうしてもっと抵抗しなかったのか、分からない。分からないまま何の抗いもせずに、美魔女に操られたみたいにソファの間のガラスのテーブルの上に立っていた。何度もお尻を叩かれて、患者服を脱ぐように言われた。
「ああ、あっ。脱ぎますうっ。だから、もうお尻を叩かないでっ」
 二人の間のテーブルの上に立たされると、まるで舞台に立つ猥褻なストリッパーになったような気分だ。
「ほほおっ、なかなか素直じゃないか。昨日の冴木先生の治療でかなり躾けられたかな?」
「まだまだ僕ちゃんが抜けてないんですけどね」
 美魔女は澄ました顔をしてもう一度僕のお尻をバシッと叩いて、脱衣を促した。


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