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St.レナ・テイル4 スナイパードール
【ファンタジー 官能小説】

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スナイパードール-8

満足した男が出ていくと、案内係は「さっさとシャワーを浴びてこい」
上階にあるカーリーのところへ戻りました。贅沢なことに、お湯の出るシャワー室が使えました。
「私って、なにしていたの」
「そうね。知る限り、あなたはいろんなところを汚しているわね」冷たく言われます。
今、おしりが気持ち悪いのも、前も、口の中も、そういうことなのでしょう。
シャワーで洗い続けました。そして気持ちが疲れてベッドに寝転がってしまいます。
「外がどういう所だかわかったでしょ」言われます。
「知っていたの」
それに答える気もないようです。
たしかに、言われても信じていなかったでしょう。

目をさますと、もうすぐ朝食の時間になります。食事係が運んでくるはずでした。
だれも暴れたりしないので、上の階では、ひとりで大きなワゴンを運んで、各部屋を回っています。
≪その子と入れ替わってぬけだそう。仕切りなおしだ、ここに未来はない≫
「食事係を惑わせて逃げる気なの? 出た途端、客の相手をするだけなのよ」カーリーが笑います。
「じゃあどうしてこの部屋ではそうならないの」
「なぜだと思う、奴らには悟られないようにするのですよ」怖い顔で睨みます。
ところが食事係一人ではありませんでした。
コーディネーターが私の前で止まります。
顔を覗き込むと、「やあ、どうだい、上の階に留まる気になったかい。君の評判はとても良いよ。ワイルドな小妖精」
「上なんか」
「そう自分をおとしめるんじゃない。熱のあるうちから働こうというのはいいが、高級娼婦が下の階の仕事を取っちゃいけないな」
「でも私。分からない。熱でおかしくなってたの  ここのボスと話をさせて」
「そんなことをして何になる」
「わからないわ。今は、もう少し寝させて。何も考えられない」
「せめてこの子の想いをかなえてあげてください」カーリーも男の顔を見ます。
男は少し考えて、「そうか。では下で遊んでないでしっかり勉強しろ。   そうだな、お前のようなのなら、ひょっとしてデビューの前に会われるかもしれないな」
「はい」お辞儀をして、行くのを待ちます。
顔を上げると目の前に料理が置いてありました。
「さて、あなたを一人前にしてあげましょう。時間がありません」
「そんなに高級娼婦を育てたいの」
「そうね、あなたならボスを引き寄せられるかもしれないからよ」
「それが何」
「それができれば、穴倉で死ぬまで犯されずに済むかもしれません。  あなた、右手が動かせますか」
私の手はピクリとも動きません。「あなた‥」
「こんなことはできますか、やってみて、魔女さん」
わたしもカーリーを拘束します。
カーリーの右手もほとんど動きませんでした。
「これは?」
今度は溶けそうなほど手が熱くなります。
「こんなのしたことないわ」
やってみます。カーリーが顔をゆがめました。
「もういいです。それで何割の力ですか」
「そうね、半分くらいかな」
「それはまた、手加減してくださったのね」
本当はもう少し全力に近かったのです。
「その程度でここに来たの。でもまあ、ないよりましなのかもしれませんね。いいですか、数日しかありません、何とかそれを洗練させなさい」
「何よ、偉そうに」
「そうよ、あなたより偉いのです。しばらくはわたくしを師匠だと思いなさい」
「何よ、偉そうに」
「地下で惑わしをしようとしていたでしょ。でもうまくいかなかったはずです」
「何よ、偉そうに」それしか返す言葉がありませんでした。


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