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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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レナードの覚醒(中編)-4

しかし、伴侶のヘレーネや元恋人で盟友のカルヴィーノ、父親のリヒター伯爵もそれを理解し受け入れている。
子爵リーフェンシュタールは前世の記憶の恐怖はあるが、今はリーフェンシュタールの心を暖かく支える運命を共にする者たちがそばにいる。

「神聖教団が協力者とレナードに指示を出した奴隷商人が、王の側室になって、女伯爵として領主になったというのも、村を焼き討ちにした傭兵が騎士として遠征軍を率いる将軍に任命されたのも、何か裏で事情がありそうだな」

マキシミリアンはそう言って少し考えてから、ランベール王とはどんな人物なのかテスティーノ伯爵にたずねた。

「公爵様、年齢も見た目も双子かと思うほど、ランベール王とレナードは似ています」

幼児だったレナードは、ゼルキス王国のハンターギルド長のクリフトフと娘フレイヤを呪い殺す儀式の生贄に使われたことがある。
クリフトフは自分が呪詛の標的にされていたと気づいていない。フレイヤは父親にかけられた呪いのとばっちりを受けた
だけであった。
クリフトフを呪殺しようとした女の目的は不明。その女とクリフトフは関係を持ったのは、呪いをかけるための準備だったと教えないのは、自分なりに男前だと信じている親友を傷つけないためのマキシミリアンの配慮である。
クリフトフの呪いは、7歳のフレイヤが贄として餓死させようと空き家に閉じ込められていた幼児のレナードを、高熱を出したままのフレイヤが助け出したことで解かれ、呪いをかけた術師の女は、街中の雑踏でいきなり血を吐いて死んだ。

「あれは、クリフトフを狙って呪詛を行ったわけじゃなかったというわけだ。セレスティーヌ、レナードにかけられた呪いの準備は幼児の頃に贄にされた時に仕掛けられていたんだ」

クリフトフを呪詛することで、別の誰かに呪いをかけようとしていたが、それは少女フレイヤに阻止された。
ハンターギルドの受付嬢フレイヤ。彼女はカルヴィーノの伴侶のシナエルのように強い感応力や念の力を持つわけではない人物だが、シナエルがカルヴィーノの行動を助けたように、父親のクリフトフの命を助けたのである。

「レナードを使って似ているランベール王に呪いをかけようとした。しかし、レナードは、幼児の頃に呪いの贄に選ばれている。クリフトフは将軍としてゼルキス王国の国境を警備していた。リーナちゃんが蛇神に拐われたから、ミレイユがゼルキス王国に帰ってきた時と徘徊者がちょうど押し寄せてきた時が一緒だったけれど、ミレイユの帰還が1日遅れていたらクリフトフは命を落としていたかもしれない。クリフトフは生きのびた」
「マキシミリアン、もしもクリフトフが戦死していたら、何がどうなっていたというの?」
「クリフトフじゃない似た誰かが呪われて死んだか、ひどい呪いをかけられているってことだ。クリフトフが戦死していたら贄のレナードとそっくりな見た目のランベール王は贄として死んでいた」
「マキシミリアン、レナードとクリフトフも生きているわ」
「ランベール王の父親はローマン王だ。誰かがローマン王をクリフトフを呪い殺すことで、ローマン王に呪いをかけようとした」
「ローマン王は、ランベール王が即位する前に崩御しています」
「レナードを贄にして呪われているのはローマン王ということになる。死んだ者に呪詛がかかっていて、レナードは贄の役割をかぶせられて虚脱している。これほど贄を虚脱させる呪詛でローマン王が呪殺されていれば、クリフトフも巻き込まれて死んでいはず。うーん、テスティーノ伯爵、ゼルキス王国に流布されているローマン王の死因は病死なのだが、実際はちがうのでは?」
「毒殺されています。犯人の侍女が処刑されました」
「ローマン王とランベール王どちらにもは呪いをかけたのかな。しかし、レナードの状態から考えれば、ランベール王は亡くなっているか、同じように虚脱した状態なはずなんだけど」
「マキシミリアン、クリフトフとフレイヤに呪いをかけた女は、シャンリーではないし、どこの誰かもわからないまま死んだわ。ローマン王が呪いをかけられる理由は?」
「ゼルキス王国に伝えられているローマン王の死因の情報は、神聖教団からの情報だよ。ローマン王への呪詛は神聖教団が仕掛けたんじゃないかな」
「神聖教団が、なぜターレン国王に呪詛をかけるの?」
「その理由はランベール王に会ってみればわかるかもしれない。ただし、僕らがランベール王に謁見できるとは思えないな。使者ではなく敵国の密偵として捕縛されてしまう気がするよ」

ヴァンパイアのランベール王に賢者マキシミリアンとセレスティーヌが謁見していれば、ゼルキス王国の要人であれ、ランベール王はふたりをヴァンピールにしようとしたにちがいない。

ストラウク伯爵とテスティーノ伯爵は、リヒター伯爵にも呪詛が実行されていたことや、ヘレーネの守護獣レチェが呪物の人骨を喰ったので、その呪詛の術は解かれた事をマキシミリアンとセレスティーヌに話した。ストラウク伯爵やテスティーノ伯爵は、ザイフェルト夫妻からヘレーネがリヒター伯爵の呪詛を祓った事を聞いていた。

「セレスティーヌ、ストラウク伯爵やテスティーノ伯爵は強い祓いの力を持っている。呪詛をかけようとした術師は呪いを返されてしまうだろう」
「わからないわ、国王や領主の伯爵にわざわざ自分の命を犠牲にするような呪詛をかける意味があるのかしら?」

神聖教団としては意味がある。
教団ヴァルハザードがターレン王国で復活する兆しを占術によって知った。ヴァルハザードが宿るとしたら誰か考え、王族のローマン王かリヒター伯爵だろうと呪殺を実行したのだった。
どちらも阻止されてしまった。ローマン王の亡霊が宿るランベール王の肉体に蛇神のしもべの教祖ヴァルハザードの記憶が与えられる結果が生じた。
ローマン王を呪殺しようと奴隷商人で未亡人のシャンリーに協力者として、神聖教団の術師が蛇神のナイフを与えた。


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