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Sorcery doll (ソーサリー・ドール)
【ファンタジー 官能小説】

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禁忌の呪術-1

国王ランベールは、ゼルキス王国に対する出兵を宣言した。
騎士ガルドを将軍とした、およそ2000人の兵力である。

ターレン王国とゼルキス王国のどちらも建国してから約400年以上、戦を経験していない。
そして、2つの小国で暮らす者の人数は合わせて20000人程度であることをふまえて考えれば、2000人の兵数とは、一度の戦の動員する兵数としては大胆な決断だといえる。

約50人の村人が暮らす小村を短期間で制圧するのに、20人の手慣れた盗賊が必要。相手が訓練などを受けていない村人であれば、制圧可能である。村人50人のうち、戦闘しない子供や女性などが含まれているためである。

ゼルキス王国に常駐している兵数は1000人以下であると予想し、2倍の兵数をターレン王ランベールは進軍させる作戦である。
ガルドとしては、敵の3倍の兵数が理想だと考えていた。相手の兵士1人に対して、こちらは3名でかかれば、こちらが訓練不足の兵士であれ、確実に仕留めることができる。

ガルドの傭兵団の手下100名を、兵士10人の分隊の隊長とすることで、全体の半数の兵力は、ガルドの指揮命令で従順に動かすことができる。
残りの半数1000人は、行軍の雑用や敵軍と対峙したら、ひたすら突撃させ、相手の隙を作るために使うと、ガルドは決めた。

兵力を割いて先行させ、村人や行商人になりすまし、ゼルキス王国の領内へ侵入させておく作戦も、戦場へ出ない貴族どもが、とこからか連れてきた学者から提案されたが、ガルドはこれを却下した。
小村を焼き討ちした時に、ガルドが行ったものと同じ作戦である。

小村であれば、ガルド自身が商人の馬車の護衛になりすまし、短期間で村の守り手の集団に潜り込むことができた。 
今回の敵は小村の村人たちではない。
ゼルキス王国領内へ潜入させても、少数では斥候どころか捕らえられ、敵軍に情報を提供することになりかねない。また領内でゼルキス王国軍を撹乱させるには、それなりの兵力を、時間をかけて埋伏させる必要がある。

軍事会議にランベール王は立ち会っておらず、実際に戦場へ向かうガルド以外の貴族6名と学者2名を合わせて9名で出兵前の最後の会議を行っている。

軍事会議に参加している貴族たちは、ランベールを即位させた支持派であり、今回の戦の費用を出資する見返りに、ニアキス丘陵を開発して利益を得ようと企んでいることを、ガルドは奴隷商人シャンリーから聞いている。

「今回の出兵は、1ヶ月の行軍で帰還することは可能か?」

貴族たちは2000人の兵力で、ゼルキス王国を降伏させるつもりはない。
ゼルキス王国の国境まで進軍して戦闘することで威嚇し、その後のゼルキス王国と交渉で、ニアキス丘陵を領土としてターレン王国広く取るための出兵なのが明らかにわかる意見が出された。

「2000人の兵数を1年間継続して動かせるなら、ニアキス丘陵どころか、ゼルキス王国を制圧できる」

ガルドが貴族たちの顔を見渡して、挑発するような発言したのには理由がある。
平民階級で、兵士になれば飯と寝床にありつけると困窮している者たちが、貴族たちの予想よりも多く集まってしまい、2000人の兵までふくれ上がっている状況がある。

この2000人の兵士で、内乱を起こせばガルドは王になることもできる。
今の王や貴族を処刑して負担を減らせば、王としての支持も得られる。
その後、ゼルキス王国を改めて侵略する方がやりやすいという考えが、ガルドの中で生まれたからであった。

(お望み通り、1ヶ月の進軍でターレン王国なら制圧できるぞ)

ゼルキス王国まで進軍せず、身を潜められる森林地帯に駐屯し、そこを補給の拠点としてターレン王国を侵略する。

ガルドの反乱軍がターレン王国を制圧する前に、ゼルキス王国が軍の背後を突いてきた場合を考えて、1000人を背後を守る壁にするか、全軍でターレン王国を制圧するか。

森林地帯まで進軍しておき、駐屯地に兵糧を送らせて貯める。それが尽きないうちにターレン王国を制圧する。

「わかった、3ヶ月分の兵糧をまとめて拠点に送ってくれ。進軍よりも、撤退の方が兵の動きは遅くならざる得ない」

この軍事会議の場では、貴族たちは3ヶ月分の補給で了承している。だが、実際は2ヶ月分未満の兵糧しか補給されないとガルドは予想していた。

「ニアキス丘陵側から進軍した方が、ゼルキス王国の国境へは早く進軍できるのではないか?」
「目立ちすぎる。国境へ進軍する前に、ゼルキス王国軍はニアキス丘陵に布陣されてしまう。ニアキス丘陵で戦をして、ターレン王国軍が補給切れで撤退するか全滅すれば、ゼルキス王国はニアキス丘陵の領土として軍を駐留させて開発を初めるだろう。そうなれば、もう、ターレン王国はニアキス丘陵を奪うことは難しいだろう」

「森林側で進軍することに同意する。撤退は、どうするつもりか?」

「一度、ニアキス丘陵で追撃してくる敵軍を迎え撃つ。敵軍を撤退させてから帰還する。そうすれば、ターレン王国軍が敗れて撤退したのではなく、おたがい軍を引いたかたちになる。ああ、一年分、兵糧や物資の補充が維持できるなら、そのままニアキス丘陵に布陣したまま確保して、ターレン王国で先に開発を開始すれば、ニアキス丘陵を拠点として、ゼルキス王国を侵略できるものを」

「ガルド将軍の作戦はわかった。だが、将軍、我々のターレン王国も余力があるわけではないのだ。そこは理解いただきたい」

(貴族が滅びれば、ターレン王国軍は、あと10年は戦える)

ガルドはそう思いながら睨みつけた。公爵は作り笑いを引きつらせ、ガルドの視線から目をそらした。

ガルドは王国からの補給が確認できた時点で、軍を反転させ、ターレン王国を反乱軍の英雄として侵略する作戦を思い描いていた。
ガルドはかつての放浪生活で、森林地帯を知り尽くしている。


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