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一番
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一番〜堕ちる〜-1

彼は何故、私との間に線を引いたのか…

クラブから帰る途中、家に着いた時、シャワーを浴びている時、朝方眠りに着くまで私は考えていた。

それから目が覚めると午後2時になっていた。
だるい体を引きづり起こし携帯を見た。

メールが3件。
一件目は着うたサイト。
二件目はマキ。
三件目は…見たことのないアドレス。タイトルがなかったので開いてみた。

彼だった。
一瞬で頭の中に彼の優しい笑顔が浮かぶ。
【おはよ〜ちゃんと帰れた?マキからアドレス聞いてみた。 三村】

絵文字も何もないそっけないメールだった…なのに優しく響く。
妙な興奮の中、慌てて返事を打った。
【大丈夫でした(^ー^)昨日は楽しかった。また行ってもいいですか?】
会いたい…また会って声が聞きたい…そう思った。
私はこの人が好き。

運命なんてキレイなものじゃない。ただどうしようもなく会いたい。
彼からの返事が来るのを待ちながらマキのメールを開いた。

【昨日騒いだね〜頭痛ぇ〜(>_<)てかミムさんにアド教えちゃった後に言うのは酷かもしれないけど…すぐ分かっちゃうと思うからやっぱ言うわ。ミムさん結婚してるよ。子供も二人いる。】

目の前が午後の陽の色から真っ黒くなるのを感じた。

結婚…子供…私は…

彼が線を引いた理由が分かった。頭では分かったはずなのに…どうしてだろう。分かったはずなのに…
これから私がしなければいけないことは出来たばかりのこの気持ちを消すこと。
分かってる分かってる分かってる…
一度しか会ってないんだから…一度しか…
彼は家庭があるんだから…私は一番にはなれないんだから…
何度もいい聞かせた。なのに携帯が鳴る。
私の頭から彼以外が消えた瞬間。
どんどん堕ちていく。深く深く…許されないと知ってもなお彼の暖かさを求めてしまう自分は弱くて汚くて…

【おう。好きなときに来な〜今度は潰れるなよ。】

この気持ちは止まることなく彼に堕ちる。
私の頭の中には…彼しかいない。
きっと後悔する、きっと泣くことになる、きっと何かを壊す、きっと…私は汚れる。
それでもいい。私は堕ちることを望んだ。

【じゃあ行く時は連絡します。番号教えてもっていいですか?】




〜続く〜


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