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プリンセスゲーム
【ファンタジー 官能小説】

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プリンセス・ゲーム-1


プリンセスの侍女としては今までに2人が訓練を終了していました。
その二人は年上で、ひとりはプリンセスが生まれる前から乳母役として配属されていました。
でもわたくしたちは仲良しでもありました。ただ、そうでなかったら放り出されていたでしょうし、互いに自制もありました。べったりの友達では、何かあったときに互いを見捨てて王女を助けるのに一瞬の躊躇が生まれてしまうかもしれません。
神にその身を捧げる者がいるように、警護隊員にとっての神は王であり王妃です。その子どもたちは3番目で、隊員の命はそれらを守るために生き続けるのだと教え込まれます。
しかし我々3人の侍女はプリンセス・サージ以外のために死ぬことは許されませんでした。
わたくしは17の時プリンセスの入学した高等科へ編入配属されました。同じ学校で、年も近いので、すぐ打ち解けて友達のようになりました。
そのことで警護隊長からは、なれなれしすぎると何度も厳重注意をうけ、戒告から解任まではそう遠くないぞとにらまれました。
友達のように接することはプリンセスからの願いでしたが、すぐにこの仕事がとてつもなく難しいことに気が付きました。
「遊びに出よう」最高命令権者のプリンセスが言います。警護隊長からは危険なことをさせるなと命令されています。
たとえ王女の命令でも、うまく導くのがおまえの使命なのだと言われます。
たしかにプリンセスのどんな命令も、プリンセスの命を守る事より下位の命令となります。
それでも、牢獄に閉じ込めておくのがプリンセスを守ることだとは思えませんでした。
姉侍女の二人には少しその傾向がありました。できれば城に留め置こうとします。それでプリンセスとはさらに親密になって、悪さに付き合わされました。
悪さと言っても、放課後にちょっと抜け出して映画を見たり、おいしい店を探したりといった程度で、わたくしとしてもそんなに危険があるとは思いませんでした。ただ、寄宿学校の規則違反ではありました。
そして1年たたずして、警護隊に呼び出されて、解任されました。
わたくしの事を知って、プリンセスは怒りました。父王に言っても無駄と知っています。流れに逆らえない人なのです。そこで王室魔術院長に話を持って行ったのです。
「あなたの所で教える魔法では私を守れないのですね。そんな魔術院なら国も守れません。なくていいと思いませんか?」
「そんなことはございませんよ」魔術院長が答えます。
「では、私を守れないような娘を私のそばへよこしたのですね」
「いえ、あの娘一人で5人以上の兵士の働きをするでしょう」
「それなら解任されたのは警護隊の間違いなんですね。では、魔術院直属の侍女としてヒトミを戻して」 プリンセスは魔術院と警護隊の仲が良くないのを知っています。
これは時代遅れに見られていた魔術院の地位回復にもつながる取引でした。
「おじさま、お願い」サージらしくない声でした。
「わかってますよ」一瞬優しい顔になります。 「ヒトミはこちらから警護隊へ貸し出している形になっております。あちらと連絡を取ってうまく計らいましょう」
魔術院から帰って、すぐあとのことです。警護隊長がわたくしを指令官の腕の中から救い出して服を着せると、プリンセスのもとへ連れて帰りました。
「お手数をかけて申し訳ございません。手違いがあったようです。ヒトミには報告と追加訓練のためにまだ返せないと言うことを係りの者が間違えてしまったのです」
警護隊としては、ここで魔術院にポイントを取らすわけにはいかなかったのでしょう。魔術院にしても恩を売り、スパイにもなりうるものを警護隊の中に置いておくこともメリットです。
そういった裏が透けて見えます。


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