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『洋蘭に魅せられたM犬の俺』
【SM 官能小説】

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『洋蘭に魅せられたM犬の俺』-18

 (11)
 雲一つ無い紺碧の空が広がる薔薇園に臨むオープンテラス。そこで麗様は優雅にアフタヌーンティーを友人らしき女性と愉しんでおられた。
 純白のサテンのドレスを纏っておられる麗様のお姿は天空からまさに降臨されたばかりの美と愛の妖精のようだった。
 言葉では言い尽くせないような凛々しいお姿だ。
眩い陽光を浴びて一際美しく、神々しいオーラを放って輝いておられた。
薔薇の甘い香りと麗様の蕩けるようなフェロモンの香りが混然と溶けあって、官能的な甘ったるい匂いが運ばれてくる。
俺は悲しくなるほどの恋しさに涙しながら麗様のお姿を遠く眺めた。
恋しい。愛しい。苦しい。狂おしい……麗様にもっと所有されたい。麗様の足元にかしずきたい。それでもまだ俺の気持ちとしては足りない。
本音を言えば、麗様に愛され、支配され、ひどく虐げられたい。辱められたい。
凄まじいマゾ牝の疼きに見舞われた。

 歓談相手の女性は黒いパンツスーツに、男装の麗人と言う表現がぴったりの断髪のヘアースタイルで、なんと付け髭らしい口髭まで蓄えておられた。
 それでも一目で男装の麗人とわかったのは、身体の細さと繊細な指の動きだ。
 俺は老執事に鎖で曳かれ、麗様たちの5メートルほど手前まで近づいて、テラスの下の芝生の上で四つん這いのままで控えた。
 勝手にテラスに上がるのは奴隷犬としては不遜と言うものだろう。
「麗様、13号をお連れしました」
 執事がうやうやしく声をかけると、麗様が悠然と、それこそ優雅にゆっくりと俺の方に振り返られた。
 どこまでも透き通っているような、優しげな目だった。少し細めるようにした目で俺をご覧になってから、クスッと小さく笑われた。
 女のように変貌した全身タトゥの裸体に驚かれた様子はなかった。
 男装の麗人も俺の姿を見て、指を差して笑われた。
「オッホッホ。あれが噂のメス犬ね。丸坊主がとても似合ってるわ。まるでコケシか淫蕩な尼僧みたい」
 女性でありながら男装している麗人と俺とはまさに正反対だ。元々は男である俺は女性のような美しい肉体を目指して改造されている。
 俺の紡錘形に隆起したCカップのバストが胸元で大きく揺れている。豊胸手術せずにホルモン注射だけでここまで膨らむのは奇跡的だ。きっと俺の淫らな女体化願望がぎっしりと異常に詰まっているからだろう。
二つのたわわな乳房やヒップの谷間、更には背中や太腿にまで、色鮮やかな彩りを見せる大小さまざまな洋蘭の花が咲き乱れている。全身にいくつも彫り込まれた女性器から甘い蜜の香りが零れ出しているのだ。
「おいで、ポチ」
麗様が手招きされた。
淫らな脂肉で女っぽく張り出した肉尻を嫌らしく揺すって、俺は麗様の足元に這い進んだ。顏は一度もあげない。
「ポチ、チンチンよ。メス犬になった身体をよく見せてご覧」
「ああ。麗様っ。あたしの嫌らしい身体を、いっぱいご覧くださいっ」
俺は麗様の命令に歓んで従った。
犬のチンチンのポーズで全身をタトゥで飾った裸体を晒した。チンチンしながら、だらしなく口を開いて舌を長く伸ばし、貞操器具の重さでダラッと垂れ下がっている股間を目一杯に開いた。自慢のバストを見て頂きたかった。
紅色、紅桜色、白に近い薄桜色、鮮やかな瑠璃色、淡い玻璃色、江戸紫……さまざまな色合いの洋蘭の疑似マンコ。それらを繋げる禍々しい鎖が裸身を縛っている。洋蘭の蜜に群がる蝶も舞っている。
まるで俺の裸身は極彩色のキャンバスのように映ったろう。


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