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エロス・短歌倶楽部
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セックスに溺れる人たち-2

「次は姫川アヤカ さん、よろしくお願いします」
雅美はこの中では一番若そうなアヤカに声を掛けた。

「では、私ですよね、わたしは姫川アヤカと言います、
ここでは一番若いですよね」
そう言うと、小説家と自称するハンサムな柳丸隆之介をチラと見ながら続けた。

「私は、さきほど柳丸さんが仰った風俗に務めています。
男性を相手に仕事をしています。ここにおられる人は違いますが、
みんな私をそんな目で見るのです、男を相手にしている女と……。
でも、私は思うのです。男性を相手にする仕事ではいけないのでしょうか?
セックスを求めてくる人に喜びを与えてはいけないのでしょうか。
それが私はわかりません!」

なぜか思い詰めたのか、急に彼女は興奮して、泣き出してしまった。
そして、テーブルの上に身体を伏せて嗚咽していた。

「えっ? え、え……」
誰もが驚いていた。
そのとき、彼女に近づいたのは、彼女に見つめられていた柳丸だった。
やさしく そっとアヤカの肩を抱いて言った。

「大丈夫ですよ、アヤカさん、ここで貴女の思いの丈を短歌に託しましょう。
きっとみなさん分かってくれますよ」
「は、はい……すみません、皆さん」

若いアヤカはテーブルから起き上がり、柳丸が差し出したハンカチで顔を拭いた。
どうやらこの「エロス短歌倶楽部」には意外な人物ばかりが集まったようである。
気持ちが落ち着いたアヤカからは、さらに驚きの告白があった。

「先ほどは取り乱してしまい申し訳ありませんでした。
さっきはあんなことを言いましたが、
実は、ここにおられる柳丸さんは、前からのお客様です。
取材で来られる時には必ずお相手をして貰っています。数日前にも来て頂きました。
その関係で今日ここに……」

そう言ってアヤカは柳丸を見つめていた。
その時、鷹森庸三が手を挙げて言った。

「それは驚きましたね、お二人がそう言う関係だったとは……。
それでアヤカさんにお聞きしても宜しいでしょうか?」

「は、はい鷹森さん」

「先ほどのお話で、会員になれば私達ともセックスをするようになりますが、
それは可能ですか?」



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