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携帯恋愛
【悲恋 恋愛小説】

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携帯恋愛-1

さやか、34才主婦…自己PRにあと何が書けたっけ…結婚して子供がいる私には、中学生の娘の10分の1も着信もメールもない携帯電話…主人からも帰るコールメール以外着信した事あったかかしら……… ある日、娘が学校から帰るなり(ママぁうちのクラスの友達が出会い系やっちゃって、問題になりそうなんだぁ)と…一人娘なので比較的会話があるからか、出会い系についていろいろ講義をまじえて最近の傾向を話してくれたんだけど、なぜか危険とか怖いとかわが子がとか、母親が感じないといけない感情よりも、興味がわいてきてしまって…一度だけと掲示板に登録してみたの。「さやか。34才の主婦です。暇なんでメールでもしませんか?」
返事は、たったの4件…それも全部欲求不満?とかいう内容で、娘がいうように、(返事を打つ間もないくらいメールがきて、わくわくするみたいだよ。)なんて事は、まったくなかったの。それでやめればよかったんだけど、なんか33才が悪いのかなぁとか思ってしまって、どうせ遊びだしと「二十歳の保育士の卵です。彼氏と別れたばかりで寂しいのでメールしてね」って入れて…送信した途端に携帯が壊れるんじゃないかと思うくらいメールが来て、嘘をついてるのも忘れて嬉しくて…誰にも返事をしないつもりが一生懸命くどいてくれるのが嬉しくてつい返事を出しちゃったの。そこで仲良くなったのは翼という二十歳の男の子。日に何度もメールをくれてそれが嬉しくて…会話があきないようにいろいろな話題を提供するのも簡単だったし…だって自分や友達が過去に経験して今でも話題にあがるわくわくした事を少しアレンジしたらいいんだから…元カレにしつこくされて怖いって言うと「俺が守ってやるから」なんていってくれるから、いつしかメールしている時は、本当に二十歳の私に戻っていたの。本当にってことじたい嘘なんだけど…どんどん仲良くなってそのうち電話で話したいって言われたの。話したらバレるって思ったけど、さやかをもっと近くに感じたいとか言われて、新鮮で嬉しくて…恐る恐る電話で話したら「さやか、かわいいね。好きになっていい?」って頭のどこかで嘘をついてる事がわかっているのに、嬉しくて、もう引き返さないといけないのに、懐かしいドキドキをてばなせなくて、毎日話しをして、毎日愛をささやいてもらって、二十歳のさやかがいつしか、日常のわたしのなかに取り込めるようになって…このままいってはいけないと自分からアドレスを変えて離れた…
一ヵ月は、我慢したのかなぁ、鳴らない携帯が寂しくてまた掲示板にのせてしまって…そこでリキと言う23の青年とユウと言う24の青年と知り合ったの。会話がわくわくするのがリキ、おだやかなのがユウ。女ってなぜか危ない男になびくのか…最初、私はリキにのめり込んで行った。メールだけではなく電話で恋人同士のような甘い会話もたくさんした。会いたいと繰り返し口説いてくるリキをうまくかわしているつもりだったのに…ある日それは、脅迫にかわった。最初は、司法書士の卵だと話していたのに、お金が必要だからやくざ絡みの仕事をしていると言うようになり、お前だけが心の支えだ。会えないなら死ぬと…話の内容もどんどん危なくなってきて…喧嘩や薬、これから死ぬ。お前の名前を書いて死ぬ…なんて怖いメールもたくさん来て…怖くて携帯が壊れたから買い換えると主人に嘘をついて新しい携帯にかえてリキから逃げた。
そのときユウとも切れたらこんなことには、ならなかったのに…なぜか新しいアドレスを彼に教えたの。なぜ…たぶんおだやかな彼なら寂しいので日常をおだやかに埋めてくれるのにちょうどいいって思ったのかな。
彼は、本当に穏やかで…ゆっくり仲良くなっていって…ゆっくり好きになっていった…
「さやかの顔みたいな」って言われて困った私は、地元のフリーペーパーのレポーターの写真を写メで撮ってごまかした。


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