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恥ずかしの高校ミスコン
【学園物 官能小説】

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裸審査-2

「じゃあ審査を始めるわよ。何度も言うけど大事なところを隠すのは禁止です」
 納得のできた話ではないが、逃れられる状況ではない。少女たちはおずおずと手を胸と下腹部からどけて、男性教師たちの視線に裸身を晒した。

「君たちのことは、もう控室のモニターでずいぶん見せてもらったよ」
 一番前寄りに座る山川が口を開く。どうやらこれまでのコンテストの模様すべては、彼らが待機していた控室にも中継されていたらしい。少女たちの下着姿も、裸になる様子も、また見つめる男子たちの反応も、彼らにはすべて把握されていたということだ。だから、入室した時に彼女らの裸を見ても驚かなかった。

「でもこうやって生で間近から見ると格別ですな」
「みんな、ほんと肌がすべすべで綺麗だよ。若いっていいもんだね」
 そんなふうに言いながら、男教師たちは3人の美人女子高生の余さず露わになった瑞々しい肌を、舐め回すような視線で観察する。普段なら教師として生徒に対して見せているだろう謹厳さなど、もはやどこにもない。

 先ほどまでの男子生徒たちのまなざしもいやらしかったが、そこには思春期ならではの同年代の少女たちへの素直な憧れ、若い純粋さとでもいうべきものが含まれていた。それと比べても、大人の男たちのギラギラと欲情をたぎらせた視線は、ただいやらしさだけに満ちたおぞましいものだった。人数はずっと少ないのに、屈辱と不快はいっそう甚だしい。美景はそれを思い知らされた。
 だがこれはあくまで序章でしかない。

「キュート系と、清楚系と、セクシー系ですか。みんな可愛いけど、見事なまでに三者三様ですね」
「誰が一番かなんて、これは一人ひとりしっかり見ていかないとわからんな」
「じゃあ、いよいよ個別審査に入るか。まずは梨佳からだ。こちらの前に出なさい」
 名前呼びされて、梨佳はゾッと身を震わせた。しかも呼び捨てとは。普段の授業でいきなり女生徒にそんな呼び方を使ったら、それだけでセクハラの誹りを免れないようなことだろう。
 とはいえ、そんなことに構っていられる状況でもない。言う通りにするしかない梨佳は歩み出て、3人の中年男と向き合った。先の男子生徒たちとは数m離れていたのに対して、今は1mもない至近距離で裸身を見つめられるから、それも恥ずかしさを増す。

「学校のアイドルとか言われてる娘だよな」
「確かにほんと可愛い顔してるな。目も綺麗だ」
「私も文化祭で歌、聞きました。上手でしたよね」
 オヤジ教師たちは手元の書類に目を通しながら梨佳の小柄な肢体を見やり、口々に評する。

「ちっちゃくて可愛らしいけど、出てるところは出てるぞ」
「胸はCカップってことですね」
「柔らかそうだし、なかなかのおっぱいしてるじゃないか」
「乳首、可愛い」
 そんな露骨にいやらしいやりとりを間近で聞かされると、それだけでも身がすくむ思いだ。

「ヒップも82あるのか。お尻が見えるように横向いてくれないか」
 彼女は言われるままに向きを変えるしかない。
「ほう、なかなかいいおケツだな」
「触ったら絶対気持ちよさそうだね」
「調べでは、男の生徒たちの間では『尻佳』なんてあだ名もついてるようです」
「なるほど、『やまにしりか』だから『しりか』か」

 なにそれ、男の子たち、私のことをそんなふうに呼んでたの?
 梨佳はどうやら自分に対するこの異名を今まで認知していなかったようで、それは彼女にとって決して快いものではなかった。

 だがそんな憤りを感じる間もなく、教師たちは梨佳に一度後ろを向かせ、尻の割れ目を存分に鑑賞する。
「ちょっとぐらい、触らせてもらっていいか?」
「誓約にあったでしょう、接触は厳禁です、黒井先生」
 梨佳のお尻に手を伸ばそうとしたのは、昭代に厳しい口調で制止される。男は残念そうな様子で、彼女を改めて向き直らせた。

「ふーん、可愛い顔して、下の毛は結構生えてるんだ」
「高校生なら別に普通だろう」
「剃らせますか?」
「いや、ギャップも悪くないだろ」
「でも、もう少し薄い方が可愛いような」
 恥毛の生え方まで好き勝手に品評され、梨佳の乙女心は千々に乱されていた。ここで剃毛を命じられていたら、どうなっただろうか。

「なんかアイドルっぽい、可愛いポーズとかしてくれないか?」
 梨佳としては、さっき男の子たちを前にした時とは違って、こんなオヤジたちの前で、しかも全裸の状態で、華やかなパフォーマンスなんてできるものではなかった。
「いいから、指示に従って」
 昭代に促され、梨佳は仕方なくいくつかポーズを見せたが、さすがにぎこちないものだった。笑顔も強要されたが、作っただけのそれでしかないことは誰の目にも明らかだった。

「まあ、とりあえずこのぐらいか」
 それでも男たちは満足したのかやっと終わりを告げられたが、その頃には彼女はほとんど心折れていた。ここまでしてもミス和天高校の座を勝ち取ろうなどという意欲は、とても残っていなかった。


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