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ご主人様のため・・・
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ご主人さまのため・・・〜記憶〜-5

「あなた昼間の・・・」
「亜希?」
良平だ。やはりこの2人の絆は相当強い。
「亜希!また会えてよかった!!本当に心配してたんだぞ・・・いっしょに俺達の育った町に帰ろう!おじさんもおばさんも心配してるぞ!!」
「わっ私はアキじゃないです!結衣です。だから人違いなんですってば!」
「でも俺が亜希を間違えるはずは・・・・」
「私はここで生まれ育ったんです。父も母もここにいます!」
口にしてから何故こんな嘘をついたのだろうと思う。
「・・・・そっか。やっと見つけたと思ったのにな・・・。」
「なんかすみません。」
「いやいや!謝ることないないよ!!俺こそごめんな。」
そういって笑う良平の笑顔は、結衣をとても懐かしい気持ちにさせた。
「あっ・・あの!アキさんって、どうしていなくなったんですか?よければおしえてください。あっ!話したくないことだったらいいんですけど・・・」
「簡単にいうと誘拐?もういなくなって3ヶ月くらいたつかな・・・」
「そうなんですか・・・アキさんってどんな子なんですか?」
「明るくて、同い年なんだけど妹みたいでほっとけなくて、素直で純粋で、曲がったことが大嫌いで・・・。17年間ずっと片思いだったんだけど、3ヶ月前やっと両思いになれたんだ。そしたら誘拐されちゃって・・・」
愛おしそうに、そして悲しそうに良平は亜希のことを話している。
『この人本当にアキさんのこと好きで、本当に寂しいんだなぁ・・・』


「そろそろ戻らないと・・・・」
「あっ!ごめん。ついついしゃべり過ぎちゃって・・・」
「いえいえ!!楽しかったです。」
「それじゃ!!」

・・・・−−−−

部屋に戻り、ベットに潜り込む。
『アキさん、3ヶ月前にいなくなったって言ってたなぁ・・・私がここに来たのもたしか3ヶ月前くらい・・・偶然なのかなぁ?17年間好きだったリョウヘイさんが間違えるんだから、私とアキさんて相当似てるんだよね?もしかして・・・私がアキ?まさかね!!でも・・・リョウヘイさんの顔が頭から消えない・・・私がアキ?亜・・希・・?』
パチンッッ
頭の中で音がした。
ガバッ!!
「私が・・・亜希だ・・・」
結衣が亜希に戻った。
『でも・・・私がりょうちゃんの所にもどったら?』


良平の元にとんでいきたい・・・・でもそうなると翔太はどうなるのだろう・・・・。
そう思うと亜希に戻ってよかったのかと思ってしまうのであった。



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