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恥ずかしの高校ミスコン
【学園物 官能小説】

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乙女祭-3


「2年D組・深瀬美景さん」
 そしていよいよ美景の名が呼ばれた。従わないわけにもいかず、歯を食いしばって中央まで歩み出る。途中、自身の番を終えて戻ってくる梨佳とすれ違った。そうしてあまたの視線の前に立ち、これまでのことで少し乱れたセミロングのつややかな黒髪を手で整えた。

 彼女は思った。最初の早織のように恥ずかしがれば、それだけ男子たちを喜ばせるばかりになる。どうせもうこの下着姿はあいつらに見られてしまっているのだ。それならば、最後まで淡々と振る舞おう。あからさまに恥じらいや怯えを見せたりせず、プライドだけは捨てずにいよう、と。もちろん、梨佳のようなパフォーマンスはしないが。

 そう心に決めても、彼女ひとりのからだに男子審査員たちのまなざしが降り注ぐと、やはり全身の震えは制しきれない。しかも、彼女の下着姿を見ていろいろ評する言葉も、いやでも耳に入ってくる。先の2人の時だっていろいろ評していたのだろうが、彼女は耳に入れる余裕もなかった。

「胸、ちっちゃいな」「一番貧乳だろ」
「でも、無いわけじゃないって」「深瀬はあれぐらいでちょうど良くないか?」
 とりわけ純白のブラジャーが包む慎ましやかな胸のふくらみについては、連中もあれやこれやと勝手なことを言い立ててきた。
 美景は今まで特に胸の大きさを気にしたことはない。控えめだとは思っていたが引け目は感じていないし、豊かな乳房を持つ同性に憧れや羨望を抱いたこともない。けれどもこんなふうに男たちからとやかく言われると、さすがに気にかかった。

「色、めっちゃ白いぞ」「雪みたいだな」
 肌は5人の中で最も白い。彼女の次に白い琴音と比べても歴然と差がある。その美白を余さず見届けようと、男子たちが舐めるように視線を彼女の肢体の隅々まで及ぼしたのも当然だ。11人もいるのだから、彼らの視線に晒されていないからだの部分は背後以外はどこにも無いような気がして、いよいよ羞恥に駆られる。彼女は表情を崩さず、懸命に耐えた。

 セックスアピールにはごく乏しいが、スレンダーでウェストの曲線は美しく仕上がった肢体。色の白さもあいまって、清楚という印象を受ける男子たちも少なくなかった。
「スリムで綺麗」「ほんと清楚だな」「頭いい子だし、クールビューティって感じ」
 そういった賛辞も聞こえてくるが、だからといって嬉しく思えたわけではない。 

「パンツ白だし、ひょっとして毛が透けたりしてねえか?」
 そんな露骨なまでに卑猥な言葉も耳に入ってきた。美景は思わずそれを言った男子生徒をキッと睨み返したが、当の男は鼻で笑いながらその視線を躱し、彼女の股間をまじまじと凝視してくる。つられるように何人もの男子生徒の注視もそこに集まった。男どものいやらしい視線の前に下着の薄布が突き破られそうな気がしてきて、美景はその内側の性器まで竦むような思いに苛まれた。

 さっきの言葉が彼女を別の意味でも反応させるものであったことを、言った当の男はまだ知らない。いくら凝視しても、その期待は叶うものでなかったことも、だ。

 それでもどうにかおぞましい視姦に心折れることなく、美景は凛とした表情を保ちきった。

 彼女の時間の終わりを告げるように、昭代がさっき記入したボディスペックを読み上げる。
「身長162cm、B78W57H79、Bカップ」
 背丈は先の2人よりずっと高いのに、他の数字はほとんど2人を下回る。彼女のスレンダーなからだつきを数値もはっきり示していた。

「Bカップあんのか。Aなのかと思った」
 そんな声まで聞こえてきた。実際、彼女の胸のサイズはかなりA寄りのBというところだから、あながち間違いでもない。


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