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浮世絵の女
【その他 官能小説】

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その2-3

「ここへ来ておくれ、あかねさん」
「はい、失礼致します」

そう言って、あかねは裸の身体で浮丸の前に来て座った。
浮丸は手元に置いてある襦袢をあかねに掛けた。

「少しは体が温まるだろう」
「ありがとうございます、優しいのですね。お客さま……」
「これから、わたしを楽しませてくれるのかい」
「はい、不慣れな女ですが、心を込めさせて頂きます」

あかねは、恥ずかしそうに言った。
その女の雰囲気が浮丸は好きだった。
彼は派手な女よりもこういう女が好みなのである。

浮丸が描く絵はそういう女が多かった。
その雰囲気に、この女はとても合っているような気がした。

そのあかねを、浮丸はじっと見つめながら言った。
「あのね、あかねさん」
「はい、お客様……」
「つかぬことを聞くが、ここはいつからかな?」

「はい、まだ数ヶ月しか経っておりません」
「なるほど、それで今までに、相手をした客の人数を聞いて良いかな?」

「は、はい……十数人くらいになります」
「ふむ、それで、あんたがそれで感じたことは?」
「いえ、まだ……」

この憂いを持った地味だが美しい女に、浮丸は興味を持った。

「それは、どう言うことか聞いて良いかな?」
「はい、お客様はご自分が気持ち良くなると、もうそれで……」
あかねは恥ずかしそうに、下を向いて言った。

「それで、終わりということだね」
「は、はい」

あかねは手で顔を覆った、恥ずかしいのだろう。

「では、今までは、あんたは男に尽くすだけだったんだね」
「はい、私はお客様に喜んでいただければそれで良いのですから」
「なるほど」

「そして、お客さは、私を抱いて、私の身体のなかに……」
「ふむ、客はあんたの中に出してしまえば、それで終わりなんだね」
「は、はい」



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