投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

夜宴
【SM 官能小説】

夜宴の最初へ 夜宴 6 夜宴 8 夜宴の最後へ

夜宴-7

裏切られた先生の惨めなお気持ちはわかりますけど、あらら、不思議なことに先生のズボンの中心が元気に盛り上がっているじゃありませんか。きっと先生にとっては、奥様が変態男に寝取られる感覚って初めてのことではありませんか。わたくし、知っているのでございますよ、先生と奥様がセックスレスのご夫婦だということを。それに奥様に対してそういう感じ方をするってこと。そういう感じ方ってどういうことかって。寝取られた妻に対する特別の欲情っていうのかしら。妻がほかの男に縛られて嬲られ、辱められることが快感で勃起するってことよ。そんなに恥ずかしがらなくていいじゃありませんか。わたくし、そういう感じ方をされる先生をもっと好きになりそうだわ。
先生は、以前は大学病院の副院長までお勤めになったと聞いておりますが、地位も名誉もあるお方が妻を寝取られるって、屈辱に感じられるのかしら。こんなことを言うと大変失礼ですが、少なくとも奥様にとって先生は、夫である前に男として魅力がなかったということでしょうか。奥様の男にいだく性愛の対象として価値のない男だったのかもしれませんね。お怒りにならないでくださいね。でもわたくしはけっしてそうは思っていませんから。奥様には男を見る眼がないのよ。ええ、先生はわたくしを抱いたことを否定されますが、わたくしははっきり覚えていますわ。わたくしの繁みと花びらを掻き分けて挿入された先生の堅いものの感覚。それにぐいぐい腰を押しつけて、わたくしをどんどん舞い上がらせ、熱い精液を迸らせ、尽き果てたときの先生の素敵なお顔。ただ奥様にとってはとても煩わしく感じられたのかもしれません。それは奥様の先生に対する性愛が閉じられているからですわ。もともと先生と奥様って相性が悪いのかもしれませんわ。


奥様の話はこれくらいにして、実は、鏡の中のあの女はわたくしの亡くなった主人の愛人だったのではないかと最近、思っておりますの。いろいろ気になることがあってそう思うようになったのでございます。ええ、先生もご存じのように夫とわたくしはセックスレスの夫婦でございましたわ。少なくともわたくしに対して夫は性的に不能だったのですから。と言うよりわたくしが夫を不能にしたのかもしれないってことかしら。でもわたくしはけっしてそのことを今でも後悔していないわ。ええ、結婚してから夫に触れさせたわたくしの体と言えば、足先の指だけだったわ。それも夫の唇だけで触れさせるの。わたくしは夫を後ろ手にして手錠をかけ、自由を奪い、唇以外では指一本、わたくしの肌にふれさせなかったわ。全裸の夫をわたくしの足元に跪かせて足指だけを愛撫させたわ。何時間も、わたくしが満足するまで。そう、わたくしは夫をわたしだけのものにしたかったの。
ハンサムな夫は結婚する以前から女性にもてた方で、女の噂も絶えなかったわ。だから夫に女がいることは薄々感じていたの。それがあの女だなんて。いやらしいことにあの女はわたくしが知らないところで主人とこっそり逢瀬を重ねていたのでございます。主人はきっとあの女に騙されていたと思っておりますのよ。あの女は、わたくしがそのことを知らないとでも思っていたらしいけど、わたくしにはわかっておりましたわ。夫が亡くなった五年前、夫は八十歳になっていたというのに、そんな老いた男をつかまえて破廉恥なセックスを強いる、そういう女なのよ。鏡の中のあの女の男好きのするいやらしい顔や体を先生にも見せたいくらい。女のいやらしさってもって生まれたものだから、鏡の中のあの女はきっといくつになってもそういう女なのよ。

わたくしは夫とあの女が裸で絡み合う姿をこっそり覗いたこがあるの。そこがどこだったか忘れましたけど。女は夫の顔に脚を開いて跨り、夫は女の股間に顔を沈めていたわ。女の卑猥な肉色をした醜い花芯に鼻先を埋め、唇を押しつけ、舌で女の肉唇を喘ぐように舐め続け、うっとりと瞳を潤ませた夫は、まるで別の男でしたわ。それに夫の下半身のものは、わたくしがこれまで見たこともないものでした。黒々としたハイエナのように飢えていて、狡猾で獰猛でグロテスクなほど伸び上がり、えぐられた眼のような鈴口をむき出しにして荒い息をしていましたわ。不能であるはずの夫のものが、驚くほど大きくなっていたのでございます。やがて女は夫のいきり立ったペニスに脚を拡げてゆっくりと跨り、腰を押しつけ、自分の中に含んでいったわ。それもあんなにいやらしく腰を振りながら愛液を垂れ流して。わたくしは、夫がわたしから遠ざかり、あの女に奪われていく姿に吐き気さえ覚えたわ。
夫がどうして死んだか、先生、ご存じかしら。あの女は夫とセックスを終えたあと、夫のものをナイフで切り取ったのよ。まあ、なんてむごたらしいことをしてくれたのか。よほど夫のものが欲しかったのね。わたくしは棺(ひつぎ)の中の切り取られた夫の下半身を見てはいませんけど、死因は性器を切り取られたことによるショック死だと告げられました。そのことをわたしは夫の葬儀のときに初めて知ったのでございます。


夜宴の最初へ 夜宴 6 夜宴 8 夜宴の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前