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夜宴
【SM 官能小説】

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夜宴-10

わたくしは、ごらんのとおりあまり若くないわ。だからあなたのためだけに美しく熟れてきた果実のような貞操をあなたに思う存分味わって欲しいの。あら、わたくしはこの歳になってあなたに処女を奪われたことを悔やんでいるわけでもなく、むしろ初めてのものを差し出した相手があなたであったことにとても充たされているわ。ううん、わたくしはお上品な性愛を求めているのではございません。ふたたび夜宴の女として、ふさわしい女にあなたにしていただきたいの。
でもわたくしは正直なところ、いつかあなたに捨てられるのではないかといつも怯えていますわ。おわかりになるでしょう。わたくしは鏡の中のあの女をほんとうは恐れているの。あなたの欲望をわたくし以上に充たそうとするあの女を。そしてあなたとわたくしを引き裂こうとするあの女を。だからわたくしはあの女の夢でうなされるわ。
薄暗い夜宴で、あなたに捧げられたあの女に夜宴の獣たちが襲いかかる……。彼女を裸に剥いて肉体を嫌というほど痛めつけ、虐げ、さんざん犯したあげく、子宮までえぐり出す。肉襞の奥に挿入されるものは、汚れた爪の伸びた獣の指であり、拷問をするときの熱せられた楔(くさび)であり、子宮を切り裂く鋭く尖った短剣だわ。いやらしく淫らなあの女はそんな苦痛を拒むことなく、むしろそうされることに対して膣(ちつ)の悦びを感じることになるのです。それはあの女が、夜宴の女としてあなたに寵愛されているからではないかと思っているの。
ああ、ほんとうは夢じゃない。正直におっしゃっていただきたいわ。あなたが鏡のなかのあの女と関係をもったことを。本気でそう思っているのかって。ええ、わたくしはそう思っているわ。あなたはほんとうにあの女とのセックスがわたくしよりいいものだと思っていらっしゃる。ほら、もうそんな顔をしている。あの女の中に挿入したときのいやらしい顔をして。目の前のあなたの舌が、指が小刻みにふるえ、ズボンの中のものが堅くなりかけている。きっとあの女を思い出しているんでしょう。わたくしの恋人であるはずのあなたがあの女に奪われようとしているのよ。 

おっしゃって、あの女の体のどこがわたくしよりいいのかしら。唇なの、乳房なの、厭らしくそそり立った乳首なの、それとも陰毛の陰に隠れた卑猥な肉の合わせ目なの。でもあなたはあの女とほんとうのセックスなんてできないわ。きっとあなたは、あの女を抱いた瞬間にペニスを萎えさせる、そして自分がわたくし以外にセックスのできない男であることを知ることになるわ。あら、わたくしがあなたの肉体のことを知らないとでも思っているの。ええ、あなたの顔に書いてあるわ、あなたがわたくし以外に女を抱くことができないってことが。あなたはわたくしの純潔を充たすためだけの男なのよ。わたくしたちは誰にも裂くことができない関係で結ばれているわ。なぜならあなたが愛しているのはわたくしだけなのでから。


明日の夜、わたくしは、あなたに夜宴の女として捧げられることになりますわ。だから今夜はあなたとの最後の夜になるの。どうかしら、わたくしの今夜の黒い下着姿。とても七十八歳の女には見えないくらいセクシーだと感じていただけないかしら。どうしてかって。ふたたびあなたの夜宴の女になる前のあなたとの最後の夜のために、あのときの下着を身につけているのよ。思い出してくれたかしら。遠い昔、あなたとわたくしが恋人同士だった頃、身につけていた懐かしい下着。今でも良く似合うでしょう。あなたが頬を寄せ、顔を埋め、匂いを嗅ぎ、唇でとても長い時間をかけて愛撫したこの下着のこと覚えていないはずがないわ。あなたの唾液をいっぱい吸い込んだ下着。そしてあなたに裂かれるための下着。ほら、あのときみたいに、わたくしをきつくベッドに縛ってあなたの鞭でこの下着が引き裂かれるほど烈しくぶって。わたくしがあなたに初めて夜宴の女として捧げられたあのときみたいに。


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