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その男、ライデン
【サスペンス 官能小説】

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その男、ライデン-1

目覚まし時計のアラームが鳴っている。AM6:00。窓のカーテン越しに日差しが入る。男は女の腕を払いベッドから起き上がった。パンツを履きシャツを着て服を着た。
「何時?」
女が聞いた。
「6時だ」
女も起き上がりパンティを履きブラジャーをつけ服を着た。都内のワンルームマンション。男は二人分のコーヒーを入れた。二人とも黙って飲み干す。昨夜やはり立たなかった。男に少しの後ろめたさがあった。だが女はそれを咎めなかった。さすが商売女だ。男は3万円を渡した。男は立たなくなってからは買った女しか抱かなくなった。
「よかったよ」
「どういう意味だ?」
「いい夜だったよ」
「客にはみんなそう言うのか?」
女は笑った。
「そうだけど、本当によかったよ」
また呼んで欲しくて言ってるのか。
「じゃあね」
女は玄関を出た。何か後を引く別れになってしまった。

男の名は芝久頼伝。年齢50歳。独身。5年前まで刑事。ヤクザから銃弾を右大腿部に受け、全力疾走はもう出来ない。それで退職して探偵をやっている。刑事時代はライデンと呼ばれていた。芝久は今日の予定表を見た。1件だけ予約がある。AM9:00 安川平次。

フロントガラスに一粒、また一粒と雨粒が落ちた。時刻は夜9時を回っていた。芝久は運転席から真っすぐに視線をある家に送っていた。白い壁の2階家だ。ハンドルから手を離し白髪頭を搔きむしり、黒のジャケットを身にまとっていた。安川平次に自分が出張中に妻知子を張り込むように依頼されたのだ。安川は40歳の商社マンでイケメンだ。魅力のあるナイスガイだ。妻が浮気などしそうもないようないい男だ。だが何故か妻を疑っていた。最近会話がないそうだ。妻知子が浮気をしていても咎める気はない。だが本当のことを知りたいそうだ。

張り込みは今夜で三日目だった。芝久は今夜も何もなければもう終わりにしようと思っていた。ダッシュボードには護身用に拳銃が入っている。元刑事の特権だ。捕まることはない。人通りのない住宅地だった。芝久のシルバーのセダンの前で若いカップルが抱き合ってキスをしている。そのとき、一人の初老の男がくたびれたスプリングコートを着て安川邸の前に現れた。おどおどして周りを気にしている。芝久はとりあえず何枚か写真を撮った。だがカップルが写ってしまってよく見えない。玄関が開く。知子は38歳。目がきらっとして胸も大きいグラマラスな女だ。そしてその男を家の中に入れた。

芝久が静かに車から降りるとカップルは慌てて逃げていった。そしてそっと安川亭の庭に忍び込み、明かりが点いている部屋を覗いた。知子はにこっと笑うとその男の前で着ている物を脱ぎ始めた。下着姿になると男は知子に抱きつき唇を奪うようにキスをした。そして乱暴にブラジャーを取り、パンティを剥いだ。そして素っ裸になった知子をベッドに押し倒した。知子のボディラインは実にビューティフルだった。男はコートを脱ぐと知子の上に重なった。そして両手でしっかりと乳房を握り左右交互に乳首を吸った。固く立ってきた乳首を男は指で摘み捻じ曲げた。外にいる芝久にも知子の喘ぎが聞こえた。少し芝久のアソコが動いた。銃弾を受けてから立たなくなったアソコが少しなのだが確かに動いた。さらに男は陰部に顔を埋めて大事な部分を吸い始めた。女が一番感じる所を指で擦り舌で舐めまわした。芝久はそっと写真を撮った。知子の表情が険しくなる。シーツをぎゅっと握りしめる。それでも男は吸い続けた。5分ほど吸い続けると知子はのけぞるように果てて何度も裸体を痙攣させた。芝久は見ているだけで喉が渇いた。


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