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Queen Celes
【二次創作 官能小説】

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Perfume-9

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―――――――――それから10数分後、



「淹れ立てだから少し熱いが・・・」



「どうも・・・・・」



台所から戻ってきた管理人がセリスの目の前に差し出してきたカップからは、淹れ立てという言葉に恥じぬ湯気とえもしれぬ甘い香りが漂ってくる。


セリスはカップを手にし、フゥーと息を吹きかけカップの中身を冷ましながら何気に室内を見渡す。

管理人の方は再び台所の奥に引っ込みその姿はない。









――――――今セリスは部屋の中央に置かれた円卓の前の椅子に腰を下ろしている。

小屋の中はセリスが座っている椅子と机が中心となり、管理人がいる台所や仮眠用のベットが置かれている小部屋とは吹き抜けの状態で繋がっている。

床には使い古された薄緑の絨毯が敷き詰められ、

壁際に小さな鏡台と3段の箪笥が据えられている以外は、一切の調度品や装飾品は見当たらない。

むしろ箪笥の上に置かれた灰色の花瓶に活けられた赤・青・黄色の薔薇の花が、ある意味小屋の中にはなやぎを与えている唯一の“装飾”といってもいいだろう。





―――――――チュゥ・・・


―――――――ゴクリ・・・・・



「美味しい・・・・・」


程よく冷めたのを見計らい、カップに口をつけ中身を口に含むセリス。

口腔内を今まで味わったことのない独特の甘味が満ち、気づけば一気に喉の奥に流し込んでいた。



「気に入ってくれたらばありがたい。まだあるから遠慮なく飲んでくれ」


「ええ、ありがとう・・・・」



台所の奥から聞こえてくる男の声に返事しながら、セリスは改めてカップの中身をまじまじと見つめ、漂う残香を鼻腔一杯に吸い込みながら残さず飲み干した。





――――――ドボドボドボ・・・・・・



「・・・あの青い薔薇もそうだが、ここに植えている薔薇は特別に香りが引き立つように色々工夫しているからな。当然このお茶も・・・・。

今度は先程よりも冷めているから、そのまま飲める筈だ」



「ええ、本当に美味しい・・・」



台所から現れた管理人が空になったカップを満たしていく。
漂う香りや管理人との会話の流れの中、セリスは勧められるまま2杯目を口に含む。

先程よりも少し冷めているせいか、やや味が薄くなった感があるものの、今回は熱さを気にせず飲み干すことができた。



(・・・・・それにしても)


2杯目を飲んだ後に空のカップを卓上に置きながら、セリスは先程から何気なく行っている“室内の観察”を再開していた。

余計な装飾品は見当たらないとはいえ、小屋の外観からは想像できないくらいモダンな雰囲気を醸し出している。

自分のように女性が腰を据えてみて不快を感じない程度には整えられている故に、先程のような貴婦人風の女性がいても大きな違和感はないだろうが。



(まさか・・・・私の見間違い、なんてことはないわよね)



あわよくば彼女の痕跡や残置品でもと想像を逞しくしていたものの、そんな感じを室内からは見出だすことはできなかった。


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