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Queen Celes
【二次創作 官能小説】

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Perfume-8

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――――――セリスが再び訪れた小屋の周囲や屋内にも人の気配は感じられない。
あの時小屋から忍び出ようとする貴婦人とは逆の立場になってしまったが、
セリスはそろそろと窓際にまで歩み寄る。


(・・・・・・・・)


トタンと煉瓦を組み合わせた木造の小屋。その窓には内側から鍵がかけられ、レースのカーテンのせいで室内の様子もぼんやりとした輪郭が見えるだけだった。

それでもやはり室内には人の姿は見受けられない。





その時、


「 !!! 」


背後に人の気配を感じたセリスがパッと振り向いた時、彼女の視界に自分を見つめてくる管理人の姿があった。

初めて顔を合わせた時と同じ服装、同じ携行品、同じ無表情で。


「・・・うちの小屋に何か用か?」


当たり前とは当たり前の質問に、流石のセリスも二の句が告げなかった。

自身の真後ろにまで相手が近づいていたことで、もはや通りすがりという言い訳も少々苦しくなってしまう。

この場面においては他人の家を無断で覗き見ていた自分にこそ非があり、何を言っても言い訳になるであろうことを。

しかもセリスの方から脈絡なく貴婦人のことを面と向かって聞くわけにもいかない。



「いや、その・・・・・」



だが、ここで男の表情が微かに変化した。
セリスの行動に対して何かしら合点がいったのか、口許に微かな笑みを浮かべ、次の瞬間にはもとの無表情に戻る。

そのままセリスの傍らを通って小屋の入り口にまで歩み寄り、手にしていた庭の手入れ器具一切を手慣れた手付きで下ろしていった。
最後に身に付けていたエプロンを外して物置の一角に設けられていたハンガーにかけた後、管理人は漸くセリスの方に顔を向ける。



「部屋の中はそれなりに片付けてあるから、どうぞ」


「え・・・・?」


「自家製だが、薔薇のハーブティーもあるから・・・・すぐに準備する」


そう言って管理人はドアを開け室内に消える。

管理人はセリスの非を問うこともなく、明らかに小屋の中に招いている。



(・・・・行くしかないか)



成り行き上この場は招きに応じざるを得ないとセリスは決心した。

薔薇のハーブティーに釣られたわけではないが、何より自分の中にある“疑問”に関し自身の目で直接確認できるかもしれないと思い起こして。

レイピアを握る左手に力を込め、深呼吸するとセリスは意を決して管理人の後に続いた。


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