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ドッペルゲンガーの恋人/過去からの彼女(官能オカルト連作短編)
【幼馴染 官能小説】

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亡き妹アヤへの手紙日記(前編)-5

7
 それから二人の行為はエスカレートし、とうとうお互いの未熟な牡と牝の性器同士のペッティングで慰めあうようになったある日、唐突にアヤが告げた。

「でもさ、お兄ちゃんって、ほんとにお兄ちゃんなんだよね? たしかママは、私のパパはお兄ちゃんと一緒だって。一緒に暮らすようになったら仲良くしなさいって」

 恐ろしいことに、アヤは最初から真相を知っていたのだった。ただの義理の兄妹ではなく、血のつながった異母兄妹だということを。
 幼さゆえの無思慮なのか、それとも残酷で淫靡な確信犯だったのか。突然の告白にショックを受けた顔のリクに、アヤはしれっとしていたものだ。
 兄の腰に跨った彼女はまるで勝ち誇るような顔で、すべらかな下腹にペニスを手で押し付けていた(芯から茹った玉巾着はマシュマロのような尻で柔らかく乗り撫でられていた)。可愛い臍の近くまで飛び散った精液の感触を指で少しばかり確かめ、ティッシュで拭う。それからおしめを取り替える赤ちゃんのようにあられもない股を開いて、自分の分の「処理」を平然と兄に要求したものだ。

「手でするか舐めて。まだ私、終わってない」

 リクは結局、妹の尻溝に流れた雫、清浄な肛門の辺りまで無言に舐めしゃぶった。
 アヤは両手で彼の頭を押さえて蜜を溢れさせ、細い腰を震わせて果てた。

「まだ、出来るよね?」

 その日のアヤはどこか思いつめた顔で積極的に、有無を言わせずにリクのものを手指と口で玩び、もう一度搾り取って飲み下した。余裕のある甘えた態度ではなく、どこかムキになったような感じだった。あるいは兄が真相を知って怯え、これっきりになってしまうのを懼れたのかもしれない。
 アヤの初恋は、義母の再婚で同居する前から「兄」のリクだったとも聞いている。ひょっとすると義母もまた、二人の関係に感づいていたのかもしれなかった。
 そもそも義母と父親や実母を含めてどんなドロドロ劇があったのか、一抹以上の不安や懸念を覚えなくもない。たとえ派手な騒動こそは無くとも、心理や感情の面で凄惨なものが渦巻いていたのかもしれなかった。
 彼は様々に懊悩しながらも、異母妹との拗れ爛れた遊びを止められず、アヤはまるで一番お気に入りのペットであるかのように誘い、受け入れ続けた。そしてそれは一過性の遊びなどではなく、特にアヤにとっては本気の偏執愛だった。
 彼女はリクという「兄」のことを母親から聞かされており、幼い頃のリクには忘却された最初の出会いから、ずっと淡い恋心を抱いていたのだという。そんな幼い想いを積み重ね、再会して以後には切実さを増していた。そして不純に親密に触れ合うようになってからは、凶暴なまでの愛欲の妄執にまでなっていたようだ。

「お兄ちゃんは私のだもの、他の女の子にも、誰にも渡さない! ママにだって!」

 抱きつかれて耳元でネットリと熱い吐息に囁かれ、リクは法悦と共に観念したものだ。
 そんな幾分以上に入り組んだ経緯ゆえにアヤとの関係や心理も一方ならず複雑で、単に惰性・偶然の近親相姦だけで説明できるようなものではない。少なくとも、もしも完全に血が繋がらない義理だけの家族関係だったら、リクはきっと真剣に結婚することを考えたに違いなかった。
 兎に角、もどかしくてどうしようもなかった。
 やっていたことはエゲツナクて生々しいくせに、根っこの部分では好きな幼馴染の女の子に喜ばれたいばかりに、勉強や部活のスポーツに打ち込んだりやファッションにこだわる少年でしかなかった。それも全くの無駄ではなかったようでもあるのだが。
 ただ、リクの場合にはその感情・執着の対象が「妹」だということだけが、普通でなく異常だったのかもしれないが。それは原体験や固定観念になって、アヤがいなくなってからもリクの内面を縛り、出口のない迷路の糸ように導き続けてきたのだ。


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