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白百合散る
【熟女/人妻 官能小説】

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水揚げ-8

やはり無言で洗い物をし続ける。あきらめた成美は食器を流しに持っていこうと立ち上がる。
「そのままでいいですから、むこうの部屋で休んでいてくださいまし」
やっと口を開いたがそれ以上は期待できなかったので、先ほどの部屋で座って待っていた。
「少し休んだら、あちらでお風呂にお入りくださいまし」
片付けのすんだ女性がこちらの部屋に入るなり言った。
「シャワーなら済ませたわ」
「今日は大事な日ですから、もう一度。わたしがお手伝いいたします」
比較的広い風呂場で、浴槽も充分二人で入れるものだった。すでにお湯が入っており、久しぶりに湯船につかった。少したって湯船から出ると、女性は背中から首、全身とくまなく洗ってくれた。タオルが乳首や股間にさしかかると、ついついビクッと反応してしまうのを哀しそうな眼で見ていたことには気づかなかった。
また少し湯船につかり、浴室をでると女性が化粧の用意をしていた。髪の毛を乾かし、体も完全に乾かすとおしろいのようなものを塗られた。顔の化粧はいくぶん濃いような気もしたが、これでも薄めにしていますとの答えが返ってきた。化粧が終わり、新しい下着を着けさせられた。パンティは前面がバタフライのような柄と形になっていてかなりエロティックだった。
「こっ、こんなものを着けるの?」
「そうですよ、これからもずっと」
哀しそうに言った女性は、さらにスケスケのピンクのワンピースを差し出した。もう諦めた成美は文句を言うこともなくそれを着て、あとは時間までごゆっくりということだったので、椅子に座って眼を閉じた。
しばらくしてトシが迎えに来た。悩ましい姿になった成美を見てニヤニヤしながら、今日水揚げが行われる部屋に連れて行った。
「もう少ししたらお客さんの登場だっ、失礼のないようになっ。いいかっ、まず湯加減を確かめておくんだっ。風呂やベッドの上もキレイになっているかを確認だっ」
「わかったわっ」
「客が来たらちゃんと挨拶するんだぞっ、今日の客は兵藤さんというんだ、覚えておけっ」
「兵藤さんねっ、どんなひと?」
「バカヤロウっ、どんなひとでもちゃんと接待するんだっ、あとで文句入れられたらヤキを入れることになるぞっ、知りたきゃ睦言ででも聞くんだなっ」
「ふんっ」
「いいかっ、お前は初めてなんだっ、基本的には客にまかせりゃいい。風呂に入れるまでは教えたとおりやるんだっ、わかったなっ」
「わかったわ、もう出ていってくれないっ」
「へへっ、へらず口だけは達者だなっ、水揚げが終わったらまたたっぷりと仕込んでやるからなっ、楽しみにしてなっ」
トシは捨て台詞をはいて部屋を出て行った。
(もう、後戻りはできないんだわ)
分かってはいても、怖さで緊張してきてしまう。まぎらすために湯加減などいわれたことを何度も確かめた。

「よう、どうだい?ちゃんと仕込めているかい?」
冷泉は入り口で待つ、親分とトシに聞いた。
「大丈夫ですよ、社長。女衒たちからはいい報告を受けていますから」
「そうか、そりゃ楽しみだ。うずうずしてくるよ」
「しかし、社長も趣味がお悪い、自分が陥れた娘の処女が欲しいだなんて」
「だからこそいいんじゃないかっ、背徳な感じがなっ」
「へへっ、鬼畜って言われますぜっ」
「おいおい、まさかこのことは言ってないだろうなっ」
「もちろんですっ、可哀想すぎて言えませんぜっ、へへっ、なぁトシっ」
「へい、姉妹ともに何も話してませんぜっ、社長のことは兵藤さんだと言ってあります」
「そうかい、そうかい、じゃあ拝ませてもらおうか」


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