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モデルの舞台裏
【ロリ 官能小説】

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2)シマ・エンタープライズ にて-1

2)シマ・エンタープライズ にて

土曜日。母娘2人は電車で、シマ・エンタープライズに向かっていた。
昨晩、名刺の携帯番号に電話をかけて、予約が取れている。部長さんが直々に会ってくれるそうだ。

今日も、感じの良い受付に案内されて、応接室に通された。
早紀にとっては、初めて経験する大人な対応の世界である。まるで別世界。目に映ってる物に現実感が無い。

相手は昨日と同じ、部長さんだった。
もう顔見知りの母親は、早紀が入る事を前提に話を進めている。
気が付くと、書類に署名と印鑑。
「 まあ、これは形式みたいなものですから。お母さん、ここに自署押印お願いします。あ、早紀ちゃんも、お母さんの下にお名前、書いてね。 おー、きれいな字だねえ 」

数枚ある書類を全く読まずに、母親は言われるままに名前を書いて印鑑を押して、早紀も言われた通りに名前を書いた。確かに、字がきれいな事は自信があったから、褒められて素直にうれしかった。

「 はい、これで早紀ちゃんは、正式にウチの所属タレントですよ 」
そう言われても、早紀には全然実感はわかなかった。でも、お母さんがすごくうれしそうだから、何かそれでいいや、と納得してしまっていた。

帰りの電車の中でも、お母さんはとても機嫌が良かった。いつも疲れた顔ばかり見ている早紀にとって、昨日と今日は自分としても気持ちが明るくなる。
きっと、劇団の活動も楽しいに違いない。そう思えてきた。

翌日は日曜日。
母親は、朝8時前に仕事に出掛けていった。いつもよりも表情が明るく見える。だから、早紀の方も、なるべく明るく元気に、行ってらっしゃい、を言って送り出した。
その後、8時15分には、早紀も シマ・エンタープライズ に向かった。
いつも、日曜日は1人で1日中、徒歩圏内ではあるが、行く宛ても決めずに外出している。でも、今日は行き先があって、1人でもなくなる。

やっぱり楽しくなるのかも…

そう思っていると、直ぐに電車は駅に着いた。
ここから シマ・エンタープライズ は直ぐ。でも、1人で行くのは何となく緊張する。少し喉が渇いてくるけれど、でも、約束の9時より5分前には着きなさい、とお母さんに言われている。
早紀は、ホームの冷水器のボタンを押して数口飲んでから深呼吸をした。
反対に、心臓が鳴り始めたけれど、渇きは治まったし気持ちも静まった。
劇団のビルまでは徒歩で数分である。約束の10分前には着けると思う。

 ***

今日は、部長さんだけでなく、マネージャーさんという人も、にこにこしながら出迎えてくれた。
少し、ほっとする。

「 早紀ちゃん、いらっしゃい。 今日は初日だから、宣材写真とか撮るから、よろしく 」
と、マネージャーさん。
『せんざいしゃしん』の意味が分からなかったのが顔に出ていたみたいで、直ぐに説明が入った。
本当に芸能活動みたいで緊張するけれど、少しうれしい。芸能界なんて興味なかったはずなのに、やっぱり、少しは意識している事に気が付いた。

『撮影スタジオ』
そう書いてある部屋に、やぱり部長さんとマネージャーさんと一緒に、3人で入っていく。
中を見て、びっくりした。照明とか、名前も分からない機材がたくさんあった。本当に、プロのモデルさんの撮影現場みたいだと思った。やぱり、正直、悪い気はしない。

そのまま、部長さんとマネージャーさんの2人で、機材を動かしたり、カメラを準備している。
人生経験の少ない早紀には、そんなものと思えるけれど、普通の芸能事務所では部長とマネージャーだけで宣材撮影なんてありえない事かもしれない。
でも、早紀は、不思議には思えなかった。

そして撮影…
最初は、着てきた服装で。学校に行っている服と、そう変わらないけれど、長ズボンが多い早紀には珍しく、膝丈のスカートを今日は穿いていた。
照明の真ん中でシャッタ音を聞くのは、本当に初めての経験で、最初は緊張、それからすごく気分が良くなってくる。まるで、ヒロインになった気持ち。

「 じゃあ、早紀ちゃん。次はこの服に着替えてね 」
マネージャーさんから、薄いブルーのワンピースを渡されて、スタジオの中にある更衣室で着る事になった。更衣室… というよりは、服屋さんの試着スペースみたいな狭いところであるが。

ワンピースは、半袖がふんわり膨らんでいて、スカート部分は太腿の半分ぐらいのミニだった。
自分の私服と比べて、かなりかわいい。短いスカートは、お母さんが好きじゃなくて穿いた事がなかった。でも、前から穿いてみたかったから、ちょっとうれしかった。
それに、自分で言うのは変だけど、すごく似合っている気がする。

どきどきしながら、照明の中に戻ると、カメラを構えているマネージャーさんが「 おー! 」と言いながら、すごく褒めてくれる。

「 早紀ちゃん、すごく似合ってるねー。すごくいいよ。 脚、きれいだねー 」

部長さんも、
「 いやー、本当にきれいだねえ。 早紀ちゃん、キミの脚のきれいさをしっかりと撮りたいから、靴下とってくれるかな 」
と続けてくる。

言われるままに、裸足になると、爪先立ちで歩くとか、バレリーナみたいな姿勢で片足の爪先立ちでバランスを取るとか、ポーズを変えながらシャッターが押されていく。
筋肉は疲れるけれど、すごく気持ちいい。本当のモデルさんになった気分だ。

「 はーい、オッケー。 じゃあ早紀ちゃん、今度は早紀ちゃんの全身のラインをきれいに撮りたいから、レオタードっていう体操競技のユニフォームみたいなのを着てもらおうかな 」
と、マネージャーさんに新しい衣装を渡される。
今度は、どんなかわいい服だろう、と考えながら、渡された袋を持って更衣室に入った。
中を見ると、今度も薄いブルーの服が入っていて、拡げると、確かにテレビで見た体操選手のような服だった。


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