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隠し部屋
【歴史物 官能小説】

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隠し部屋-9

9.

「ええ……お早うございます、お目覚めでございますか?」
 翌朝、隠し梯子を上って来た者がいる。
 当家の若い者……若い者と言っての四十がらみ、遊郭では下働きの男を全て若い者と呼ぶ。
「ああ、起きているよ」
「ええ……よろしゅうございますでしょうか?……おっと、これはとんだご無礼を」
 吉兵衛は起きてはいた、歳も歳、朝の目覚めは早いのだ。
 だが、ただ横になっていたわけではない、お紺を組み敷いている最中、もっとも布団はかぶっていたから一部始終を若い者に晒したわけではないし、声を掛けられて腰を振るのを止めてはいたが……。

 吉兵衛が目覚めた時、お紺はまだ眠っていた。
 遊郭の女は客に寝乱れ姿を見せるのは恥とされている……まあ、遊郭ならずとも若い女房でも同じだが。
 その寝顔はと言えば幼くとも遊女としての顔を見せた昨夜とは打って変わって子供そのもの、それはそれで可愛らしいものだが、昨夜の興奮を思い出すとやはりそれだけではない、女としての色香さも感じる。
 布団にくるまってはいるが、吉兵衛もお紺も生まれたままの姿、吉兵衛の手は自然とお紺の身体に伸びた。
「う……ううん…………あ……これは失礼を……」
 お紺が目を醒ました。
「いやいや構わないよ、私の方こそ起こしてしまってすまなかったね」
「でも寝乱れ姿を……」
「寝乱れもなにも、お前は何も身に着けていないだろう?」
「え?……あ……」
「お前は気を失ってしまってね、そのまま朝を迎えたと言うわけだ」
 昨夜はお紺の膣の浅さゆえに子袋の入り口までこじ開けてしまい、お紺はその瞬間、激しく痙攣して気を失ってしまったのだ……もっとも子袋入り口のあまりの締め付けに吉兵衛もその瞬間に子袋の中に直接子種を注ぎ込んで果てたのだが。
 
「……ああ……」
 頭がはっきりして来ると昨夜の記憶が蘇って来たらしい……お紺は少し俯くようにして顔を赤らめた。
「お恥ずかしゅう存じやす……」
「恥ずかしいことなどあるものか、長年生きて来て女も随分と抱いて来たが、昨夜のお前が一番だった」
「本当に?」
「ああ、これからもちょくちょく通わせてもらうよ」
 お紺は少し微笑み、返事の代わりに吉兵衛の股間に手を伸ばして来た。
 お紺の身体を撫でていたこともあって半勃ちだった吉兵衛のマラはムクムクと大きくなって行く。
「そんなことをされたらまたしたくなってしまうよ」
「お疲れでなければ……」
「昨夜は随分と無理をさせてしまったようだが、身体は大丈夫か?」
「あい……」

 若い者が上がって来て、屏風の内側で目にしたのはその続きに精を出している最中だったわけだ。
 吉兵衛の身体は肩から上しか見えず、お紺の顔も吉兵衛の肩に隠れて見えなかったが、吉兵衛の腰より少し低い位置に、まるで布団から生えているかのようにお紺の脚が見えた。
 普段はお紺を禿としてしか見ていなかった若い者にも、それはちょっとドキリとする光景。
「また後程……」
 下がろうとする若い者に吉兵衛が声をかける。
「若い衆」
「はい、なんぞ御用で……」
「直しておくれ、構わないだろう?」
「へぃ、それはもう……」
 直す、つまりこのまま居続けてお紺を側に置きたいと言うことだ。
 むろん追い銭は貰うことになる、それは前払いとなるのが常だが、一見の客ならいざ知らず吉兵衛は上客だ、楼の方でも今払えなどと無粋なことを言うつもりもない。
「半時ほどしたら朝飯を運んでおくれ、お紺の分もな」
「承知いたしやした、では後ほど……」
 若い者が梯子を下り、隠し扉が閉まる音がする。
「とんだ邪魔が入ったね、重くはなかったかい?」
「大丈夫……」
「続けても構わないかな?」
「あい……あ……あひぃ……」
 五十がらみとは思えない力のこもった突きに、お紺は再びぐったりとするまで翻弄されて行った……。



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