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光の風
【ファンタジー 恋愛小説】

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光の風 〈聖地篇〉-23

リュナは恥ずかしくなり照れながら俯いた。ぽりぽりと頭を掻きながらつぶやく。

「いるわけないか。」

「何か用?」

背後から千羅の声がする。リュナは悲鳴をあげ勢い良く後ろを向いた。真後ろで不思議そうにリュナを見ている。

全く気配を感じさせない辺りがさすがというべか、リュナは驚きと納得を一気に体験した。

「おはようございます。すみません、迂闊に呼んでしまって。」

「冷やかしか?オレそんな暇じゃないんだけどなぁ。」

千羅の言葉にリュナは深々と何度も頭を下げた。千羅は予想以上のいい反応に高らかに声を上げて笑う。

「いいって!本当にオレがいるか確かめたかったんだろ?…カルサから色々聞いたみたいだな。」

リュナは頷いた。だいたいの事は聞いても後は小出しになるから気長に頼むと、千羅は申し訳なさそうに言う。

やはりカルサをとても大切に思っている。リュナは千羅を見つめて思った。

「…なぜ、そんなにカルサを大切に思っているんですか?」

思っている事がつい口にでてしまった。

ジンロなら分かる。彼はカルサと共に同じ時を生きていたのだから。しかし千羅は違う。彼がここまでカルサを思う心はどこからきているのか、リュナには分からなかった。

「それは秘密だ。」

千羅は微笑んだ。やはり気になったがリュナは納得し、千羅は去っていった。

いつか話を聞くことがあるのだろうか?

彼らの周りには複雑な思いが重なり合っている。それは太古から続くものだから仕方がなかった。

色々と見定めるためにきた御剣の総本山。いくつもの出来事を乗り越え、カルサたちはシードゥルサに戻ることにした。

荷物をまとめ、部屋を片付ける。リュナの支度をカルサは廊下で待っていた。直にリュナがでてくる。

「カルサ、ごめんね!おまたせしました。」

焦って出てきた為か、顔は赤く息が切れていた。そんなリュナにカルサの顔は思わずほころぶ。

「気にするな。リュナ、紹介しよう。ラファルだ。」

そう言うとカルサは足元にいたラファルを促した。大きな体、きれいな毛並み、リュナは無意識に感嘆の声を上げていた。

「カルサ…ラファルって?」

カルサはしゃがみ、ラファルの体を撫でる。

「太古の国からのオレの友人だ。前見たときはすごく小さかったのにな。こいつ、聖獣なんだ。」

「聖なる黄金獣なのね…だから長寿なの。きれい。」

リュナも同じようにしゃがみ、そっと手をラファルに近付けた。しかし触れられない。

リュナはカルサを見る。カルサは顔で触るように促した。少し躊躇し、リュナはラファルに触れる。


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