投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

光の風
【ファンタジー 恋愛小説】

光の風の最初へ 光の風 66 光の風 68 光の風の最後へ

光の風 〈聖地篇〉-22

「持っていけ。カルサと共に生きる為に。」

手の中の首飾りを見つめる。ジンロからの想い。リュナは優しさで心の中が満たされていくのを感じた。

「ジンロ様、ありがとうございます。」

まだ部屋の中で眠るカルサに想いを馳せる。応援をしてくれる人たちが居る、その幸せな事実にリュナは涙がでそうになった。

「リュナ、幸せになれ。お前たちは決して離れるな。」

リュナは頷き、手の中の首飾りを握りしめた。そして何度も頷いた。

押さえていた涙が溢れだした。自分の弱さや不安を分かって救ってくれた。

「力が弱いのが不安でした…。何故私の力は弱まったのでしょうか?」

ジンロは黙ったまま、答えなかった。答える前にリュナが続ける。

「ジンロ様、私は本当に風神なんでしょうか?」

切実な表情でジンロに答えを求める。そこまで考えてしまうほどリュナの力は衰えていた。

本当に黒の竜王フェスラの影響だけなのだろうか?もしも自分が風神でなかったら、カルサの傍にはいられなくなる。

「リュナ、きみは間違いなく風神だ。きみの力には先代の…環明の力を感じる。」

「たまきあけ…?」

聞き慣れない名前にリュナは不思議そうに見上げる。ジンロは頷き、リュナの頭を撫でた。

「きみと同じように強い心を持った優しい女性だった。懐かしい。」

きっと新たな思い出がよみがえったのだろう。リュナの向こうに昔を見ていた。

ジンロは目を現実に戻し、リュナを見る。

「例え風神でなくとも必要な存在だ。不安になる事があるならオレに言うといい。解消してやろう。」

そう言うとジンロはウィンクをしてみせた。その行動に思わずリュナは笑顔になる。

手の中の首飾りを握り、もう一度お礼を言った。

部屋で眠るカルサのもとに足を向けて歩きだした。



昨日よりも目に映るものは深く眩しく見える。

庭を歩き、水の流れ、風を感じて進む。リュナはふと思い出した。

あれからカルサは千羅との関係をリュナに話した。隠密にカルサをサポートする存在、いつでも傍に居ると明かしてくれた。

(もしかして…?)

「千羅さん…千羅さん居ますか?」

弱々しく空に話しかけた。もしかして、という思いで呼んでみたが空振りだったらしい。


光の風の最初へ 光の風 66 光の風 68 光の風の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前