投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

野犬狩り
【鬼畜 官能小説】

野犬狩りの最初へ 野犬狩り 0 野犬狩り 2 野犬狩りの最後へ

野犬狩り-1

 蓬津県立比良坂学園へと続く、だらだらと緩い石畳の坂道――。
「おはようございます、祥子先生!」
「おはよう。え? 走って行くの? 元気ねえ」
「えへへ、宿題写さなきゃだから!」
「あ、こらっ! ちゃんと自分でやらなきゃダメでしょ!」
「はーいっ!」
 軽やかに駆けていくセーラー服の背を眩しそうに見送って、綻ぶ蕾にも似た愛らしい笑みを浮かべる桜木祥子先生。
 わずかにウェーブのかかった長い黒髪が、桜色のスーツの背にふわりと揺れます。ネクタイ代わりに結んだ若草色のスカーフが、豊かに膨らんだ胸の上で微風に踊り、黒いストッキングに包まれた伸びやかな脚が一歩一歩と動くたび簡素なフレアスカートの裾が控え目に捲れ、健康的に伸びやかな太腿がチラリ、チラリと見え隠れ。
「おはよう、祥子ちゃん!」
「こらっ! ちゃんと先生って言いなさい!」
「はーい、センセーちゃーんっ!」
 男子たちにからかわれ、ことさら怒った顔をしてみせる祥子先生は、元グラドルという変わり種女教師。少年誌のグラビアページで数多くの青少年を悩殺していた甘ったるいベビーフェイスはそのままに、胸と腰回りに年齢分の色香を増して、いまは比良坂学園の一年B組の副担任をしています。
 化粧しなくても美人だと分かる、クッキリとした目鼻立ち。
 スラリと長い手足、たわわな乳房とボリューミーな桃尻、十代のころからまったく変わっていないキュッと括れた細いウエスト――。
 見た目はとてもあでやかな、いかにも都会風な美女ですが、その性格は真面目で素直な頑張り屋。高校時代の三年間はトップグラビアアイドルとして大活躍していたのにも関わらず、大学進学と同時に芸能界をスッパリ引退。幼いころからの夢を叶えるために一生懸命勉強して、晴れて教師になりました。
 新任女教師だった昨年は初めてのことばかりで一年中ずっとテンテコ舞でしたが、二年目の今年は仕事的にも心理的にも少し余裕があります。大学入学と同時に封印したオシャレにも再び――もちろん、教師としての許容範囲を意識しながらではありますが――気を使い始めていて、今日はちょっとだけ、いつもより鮮やかな色の口紅を差しています。
(だれに見せるわけでもないけれど、ふふ……なにかをほんの少し変えただけでも、気分ってよくなるものなのね)
 元気いっぱいの少年少女たちには敵いませんが、麗若き美人女教師もそれなりにウキウキとした足取りで、学園へと続く長い長い坂道を登っていきます――と。
 緩く大きくカーブしている通学路の途中、小さな児童公園に差し掛かったとき、いきなり傍の茂みから青い作業服を着たオジサンが飛び出して来て、祥子先生の前に腕を広げて立ちはだかりました。
「きゃっ!?」
 驚いて立ち竦む、美人女教師。
 その背後にも別のオジサンが現れ、桜色のスーツの背を太い腕でガッチリと捉えます。
「な、なんですかっ!? い、いや……放してッ!」
 動転して叫ぶ祥子先生の柔らかな頬を――パァンッ! パパーンッ!
 作業着姿のオジサンが素早く鋭く往復ビンタしました。
 弾ける痛みに息を呑んでいるうちに、さらに数人のオジサンたちが児童公園の茂みから飛び出してきます。油断なく身構えながら前後左右に散って、逃走経路を塞ぎます。
「だ……だれか、助けてッ!」
 怯えた瞳で周囲を見回し、通学中の生徒たちに助けを求める祥子先生。
 しかし――。
「野犬狩りだ……うわ、マジか……」
「そんな……祥子先生って、変態女だったのッ!?」
 男子も女子も遠巻きにしているだけでだれも動こうとせず――というよりむしろ、嫌悪の表情を見せて後退ります。
(え? ど、どうして……)
 愕然とした祥子先生の鼻先に、グイッと突きつけられる身分証。


野犬狩りの最初へ 野犬狩り 0 野犬狩り 2 野犬狩りの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前