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しにがみハート
【コメディ 恋愛小説】

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しにがみハート-2

ここで自己紹介をしよう。俺、綾瀬孝紀。バリバリ中学3年生。受験?そんなもん知らんわ!!…嘘です。実はもう推薦決まってるので大丈夫なんですハイ。高校の校長がいきなり来て「君はうちの高校に入りなさい」って。現実的じゃないよねぇ、うん。まぁラッキーだけどね。
好きな人…居ません
好きな食べ物…ありません
好きな芸能人…居ません

はい、面白くない人です。ごめんなさい。

さて、自己紹介も終了♪


俺は、学校に続く道を歩いていた。

「そーいや、俺は今日死ぬとか言ってたなぁ。ま、夢だし気にしないけど、なんか不安やわ〜。」

そりゃぁいきなり「貴方は明日死にます〜♪」とか言われたらびっくりするよ。うん。つか死亡宣告をあんなに明るく言うか!?『♪』とか付けちゃうんか!?っていうか可愛いかったな〜。

夏の日差しが差し込む街中。アスファルトがぼやけて見える。俺は、ほのぼのと陽気に道を歩く。…自分が本当に死ぬかもしれないなんて考えずに。


「あとちょっとで学校〜♪しゃらんら〜♪」
『ちょっと君!?危ない!!!』
「ほぇ?」

ふと目の前に目をやると、視界いっぱいにトラックが現れた。
「ッッ…!!」

あぁ、俺死ぬんだなぁ。と思った。人間って案外死ぬときは冷静だなぁ、とか。俺だってまだ死にたくない。彼女も出来てないし、ふぁーすときす♪だってまだだぁぁ!!
途端に生きる希望が沸いてくる俺。とにかく目いっぱい叫ぶ。ダメ元でも良い。叫ぶ。

「助けてくれぇぇぇぇ!!!」
「はい♪」
「え?」

急に体が持ち上がり、 トラックの前から歩道へ投げ出される。

「……助かった…のか?」

「死に際で会いましょうって言ったじゃないですかぁ。」

ぷにっと指を頬に指して言う女の子。

「お前は…夢で会ったヤツ…?」
「あら、覚えてたんですかぁ?でも私は"ヤツ"じゃないです!!絢芽です!!」
ぷくっと頬を膨らませて言う女の子。じゃなかった、絢芽さん。

早速疑問をぶつけてみる。

「…で、絢芽さん。」
「はい?」
「俺は今日死ぬんじゃないのか?」
「あ〜、話すと長くなりますのであなたの家で話しましょう♪」
「でも学校が…。」
「休めば良いじゃないですか。」
「休む訳には…。」
「休まないと理由教えませんよ?」
「だけど学校が…。」
「休みましょうよ〜。」
「友達が待ってるので…。」
「休め。」
「はい…。」
しょうがなく学校を休む俺。だって…怖かったんだもん…。
ってアレ?俺って主導権握られてる?命の恩人の性格って良い人ばかりじゃないんだ…。


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