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任務中なのに〜アパート張り込み編〜
【レイプ 官能小説】

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久しぶりの休日-4

櫻井は、

『木戸はすぐに直った。』
『裏口が壊れているのに気付いた。』
『お婆さんは、裏口の修理を誰かに頼もうとしていた様だ。』
『俺は、裏口もタダで直した。』

と言い笑いながら、

『お婆さんは凄く感謝してくれた。金を払いたいと言ったが断った。』
『俺は木戸の罪滅ぼしでやっただけだからな。』
『お婆さんと話す様になり、近くに利用していた軽トラック用の駐車場が無くなった話しをしたら、さっきの場所で良いなら無料で貸すと言ってくれた。』
『それで仕事が無い暇な時にあの家の修理を駐車場料金代わりにやっているんだ。お婆さんは金は払いたいと言うから材料費だけ貰っている。』

と話す。大きな通りに出た。すぐに櫻井のアパートが見える。櫻井は、

『お婆さんや孫の女の子が、知り合いや友達に俺を紹介してくれて最近仕事が増えたよ。』
『最近は、夜間の土木工事をやらなくて良くなった。』

と笑う。悠子は櫻井の話しを頷き聞いていた。

【寡黙な櫻井が多弁だ。】
【あの家のお婆ちゃん達との出会いが楽しいのだろう。】

と思い、急に腹が立ってきた。

【楽しくて結構な事だわ。】
【私があなたから、いつメッセージが来るかと待っていたのに。】

と思った。アパートの階段を登り櫻井の部屋に着く。櫻井が部屋の鍵を開けて悠子を先に入れる。

悠子は6畳の部屋に入り、窓からアジトの有った部屋を見る。もう当然ながら中に詐欺組織のアジトの痕跡は無い。

中の物は全て押収された。櫻井が座布団を悠子の方に置きながら、

『まだ、入居希望者が見つからないらしい。』

と教えてくれた。悠子が礼を言い座布団に正座してすわる。櫻井は台所で何かやっている。コーヒーを淹れているのだろう。

少しして良い香りの匂いと共にコーヒーカップを二つトレーに載せ持って来る。一つを悠子の方に置く。悠子は、

『ありがとう。』

と礼を言い一口啜った。櫻井もコーヒーを一口啜って頷いている。そして、

『あんたがここに来るとは意外だ。』

と言う。悠子が訝し気に、

『どうしてそう思うの?』

と聞く。櫻井は、

『あの家であんたが、山田達も居たが旦那を命懸けで救いに行ったからだ。』
『それに、今妊活中だろう?』

と言う。悠子は口の中のコーヒーを思わず吹き出しそうになる。

『何でその事知っているのよ‼』

と叫び、

『山田君から聞いたの?』

と驚く、

『でも何で、山田君知ってるの?』

と自問自答していると、

『旦那が周りに話しいる見たいだぞ。』

と櫻井が教える。悠子は、

『えっ、そうなの‼』
『余計な事、喋って‼』

と憤慨する。櫻井は、

『あんたが子供産みたいと言ってくれて余程嬉しかったみたいだ。』

と説明する。悠子は、

『それも山田君から?』

と嘆く。

【山田君の事だもの、もうとっくにみんなに話して廻ってるわね。】

とガッカリする。さすがにみんな私には確かめて来ない。次の出勤から気まずいなと思いつつ悠子はそろそろ本題に入ろうと思い、

『それが私に何も言わず携帯番号変えた理由なの?』

と櫻井に聞く。櫻井は、

『そう言う訳じゃ無いが。』

と何故か言いにくそうだ。悠子は、

『新しい彼女が出来て、私は用済みなの?』

と畳み込む。櫻井は、

『いや、そうじゃ無い。』

とはっきりしない。悠子は怒鳴り掛けたが自分を落ち着かせ、

『ごめんなさい。』
『先ず、お礼を言わせて。』
『あなたのお陰で私は命拾いをしたわ。』
『本当にありがとうございました。』

と頭を下げる。櫻井は手を振り、

『止めてくれ。』
『俺がやりたくてやった事だ。』

と困った様に言う。悠子は、

『あなたは、さっき夫の事や妊活の事を挙げたわ。』
『私にとって夫は大事だし、夫の子供が欲しいと思っている。』
『それらが理由で私があなたと関係を絶つと思ったの?』

と聞く。櫻井はコーヒーを啜り、

『あんたが、そうしたいんじゃ無いかと思ったのさ。』

と言う。悠子は櫻井を見つめ、

『私に飽きた訳じゃ無いの?』

と聞く。櫻井はコーヒーをまた啜り、

『違う、そうじゃ無い。』

と言う。悠子は櫻井を凝視しながら、

『さっきからあなたが本当の事を言っているとは思えない。』
『お願いだから、本当の理由を話して‼』

と叫ぶ。櫻井はコーヒーを一気に飲み干し、

『あの日、連中を逮捕した日。』
『俺はこの部屋から出たあんたの後を付けたんだ。』

と言う。悠子は、

『そうなの、気付かなかったわ。』

と驚いた。櫻井は、

『あの家で部下達に指示しているあんたは格好良かった。』
『部下達があんたを信頼しているのが良く判った。』
『あんたが自ら中に入って行った時は心底驚いた。』
『旦那や部下達を救う為とは言え、中には武器を持った犯罪者が居るのに。』

と思い出す様に少し遠くを見つめる。

『俺は思わず、木戸を壊して中に入った。』
『あんたが心配だったからだが。』

と言うと悠子が、

『山田君も心配だったんでしょ。』
『思わず石を投げた。』

と指摘する。櫻井は頷き、

『ああ、山田は7年前の俺が事件を起こす前の会社にいた後輩に似ていた。』
『良い奴だったが、交通事故で死んだんだ。』
『あの時は咄嗟に石を投げた。上手い事当たって良かったよ。』

と今でも思い出すとホッとする様だ。


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