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いし
【ホラー 官能小説】

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いし-3

「はぁ……ありがとう、英介さん。」
あ?またわけのわからないことを言っている。
「何が?」
「百合子と石になってくれて……」
「あ、一緒になってくれて、てことか?」
「ふふっ、何も分かってないのね。」
「何言ってんだか……さ、そろそろ抜くぞ、と。……ん?抜けない!?」
放出したはずの俺のペ○スはそれこそ石のように固くなっていて、百合子から抜くことが出来ない。それだけでは無い、今俺のぺ○スを取り巻いているのは、そう……まさに石のように冷たい感覚。
俺を見つめる百合子の人間味を感じさせない冷たい目。
俺の背中を冷や汗が伝う。
「百合子ね、ずっと寂しかったの。だ〜れも見つけてくれなくて……でもやっと見つけてくれた!しかも、一緒になってくれた。嬉しいな。あはは…。」
「まっ…待って……俺お前と一緒になる気とか…」
「もう遅いの!あはははははは……」
百合子は笑いながら騎乗位の体制に入れ替わる。
「ぐぁ……重っ……」
「大丈夫。じきに重くなくなるから……。」
そうか……あの階段やベッドは本当に軋んでいたんだ……あの体の冷たさは石の……馬鹿だ、俺。
……あれ、本当に重さを感じなくなった……そっか……下半身がもう石に……手も…動かない…あぁ……い…し……き……が………




一週間後、小西英介の母親から、連絡の取れなくなった英介の捜索願が出され、英介宅の捜索が行われた。
「東君よ、一体彼はどこに消えたんだろうな?」
東と呼ばれた男は、棚の中を捜索しながら答える。
「警部……今回のは難事件ですよ。恋人と別れたばかりだった、と言う情報はありますが、他に全く手がかりがありません……」
それを聞いた男はふぅ、と息をはき、ベッドの方に向き直りる。
「東君。ところで、彼は美大生だったんだろう?」
「えぇ。K美大の三年生ですね。」
「立派なもんだね。これだけの彫刻を創るんだ…大人と少女とのセックス……ちょっと趣味は悪いが、実に生き生きしている。」
「でも少女は嬉しそうで、男は苦悶の表情って変ですよね?普通逆なような……それに、男は小西英介によく似ていますね。自分がモデルなのかな?」
警部はちょっと考えて、答えた。
「小西がマゾかつロリコンで、その欲望を表現したんじゃないか?」
「はははっ、警部!考えることが激しいですね。」
「さて、いずれにせよ、だ。小西英介はここにはいない。引き続き情報を集めねばなるまいよ。」
「はい!この彫刻はどうしますか?」
「とりあえず置いとけ。もしかしたら遺作ってことになるかもしれんし。」
「まぁ確かにこの作品に魂は感じますしね。行きましょうか!」
「おぅ。」


誰もいなくなった部屋で、少女の像と男の像は見つめあう。片方は笑顔で、片方は恐怖に満ちた顔で。

永遠に。


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