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何がいけなかったの
【レイプ 官能小説】

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着ぐるみ-2

「おい、俺が先だぞ」
「どっちでもいいだろ」

 カチャカチャとベルトを外す音がする。

「やめ……」

 声がくぐもって満足に抗議ができない。背中に体重がかかり、アスファルトの上で力ずくに膝を折られる。股が開いて尻を突きだす形になり、どうぞ挿れてくださいと言わんばかりのへっぴり腰になった。

 そして視界が暗いまま、わけもわからず、前戯もなく、メリメリと男根が私の中に割り入ってきた。

「いだ、い……!やだ、やだ……」

 自分の声が着ぐるみの中でもわもわと割れる。
 キシキシと抵抗する肉壁を特に気にすることもなく、容赦なく奥まで侵入した男根は、子宮の入り口を突き止めてグリグリとその感触を確かめると、ためらいなく前後に動き始めた。

「あー、酒の後の生ハメやべえ」

 ゆさゆさと体全体が揺れる。どうして私、知らない人に犯されてるの。ザラザラした冷たい地面を掴み、ただ過ぎるのを待つ。うう、うう……。脚と腕が擦られて痛い。着ぐるみの中は涙と鼻水でベトベトだ。

 ううう……。

 …………。

 ……チュ。

 グチッ……グチュ……。

 え?

 グチュッグチュッ……。

 どうして。結合部から音が出ている。肉壁の抵抗感が減り、動きもスムーズになってきた。

「おいおいもう感じてんじゃん、ビッチが!誰でもいいんだな」

 嘘だ。ああ、ん、うそ、だ。

 ……グチュッグチュッ!グチュッ!

 感覚の変化に戸惑っていると、挿入していない男がブラジャーをずらして私の乳房を丸出しにした。アスファルトと私の間に手を入れて先端を探る。

「はは、乳首もコリッコリ」

 からかうように摘まれる。

「ああ、はう、うう!」

 どうして。こんなことされて、体が反応するなんて。

 バチュッ、バチュッ、バチュッ!

「ふん、ふう、あっ」

 突かれるたびにお腹の奥から抗えない高まりを感じて、日頃の自慰を後悔する。明らかに、私が男のものを締め付けている。胸に、性器に、脳に、望まない快感が蓄積されていく。限界が近くまで来ている。このまま刺激を受け続けたら……。

「待ってヤバい、もう無理」

 男が言うと、カクカクと腰を早め、とどめとばかりに腰を力強く打ち付ける。呼応するように、私の体が強張り、受け止めきれなくなった快感が全身を駆け抜けた。

「あ、あ、あ…!」

 窮屈な着ぐるみに頭を包まれて、息をするのも精一杯なのに、体はわずかな刺激も敏感にとらえ、これでもかと快感を送りこむ。奥の奥に吐き出された、絶望的に広がる熱さも、今は快感のもとでしかない。

「ああ、ああ……」

 ビク、ビク、と不定期に震え続ける私の体。出すものを出した男は興味がないようで、抜き去ると無造作に腰を手離した。
 理不尽に犯された体は尻を上げたまま、その場で一番の痴態を晒している。

「あう、はう……」

 依然、朦朧とする。終わったのか。性器の痙攣が収まらない。甘い余韻に支配され、体のどの部分も力が入らない。

 と、ふたたび挿入の感触。引き始めた熱が粘膜から再び焚きつけられる。

「あうう」

 相変わらず響くのは着ぐるみの中だけで、男たちにとっては顔も声も必要のないただの肉穴だと認識させられる。
 ゴスッゴスッと一定のリズムで着ぐるみがアスファルトに擦れる。腕で体を支え必死になって衝撃に耐えていると、乳首が時々地面に当たり刺激された。

「あふ、んう、んあ!」

 感触に飽きたのか、男は私の背中に覆いかぶさり、角度を変えて味わうようにゆっくりと中をかき混ぜた。

「あ、だめ!あ、あ、あ……」

 その程度の刺激でイッてしまった。気づかれているだろうか。全身の痙攣が止められない。痴態を晒し続けるしかない。

 ひとしきり膣壁が抉られ、再び抽挿が始まる。無抵抗な乳房がプルプルと揺れる。

 チュグ、チュグ、バチュ、ブチュ、和姦だと言わんばかりに響く水音。一切が構われない。泣こうがイこうが、ただ穴として使われるだけ。なのにどうして体は反応するの。悔しい。悲しい。また波がくる。

「ああああ、あ、あ……」
「おいおい、そんなに締め付けんなって。出ちゃうだろ」

 ハッ、ハッ、ハッ、と息の荒い男が、何度もイく私に、痺れを切らしたように言う。

「出して欲しい?」

 当然、いやだ、と答えるが、

「出してくださいだろうがビッチ!」

 と挿れていない男が背中を踏んでくる。いやだ、いやだ!と大声で叫ぶ。が、

「出すぞ、ほらっ。あー、出る出る……」

 言うなり、パンッパンッと一層強く腰を打ち付ける。

「いや!いや!いや……ああ……う……う」

 また、快感の波にのまれていく。理性が決壊した体は注がれた精液を嬉しそうに飲み込んでいる。

 あ……あう……あう……あ……ふ……ふう……!

 身を震わせ派手に悦んでいるのは私だけだ。私だけが、暗く静かな裏路地に、裸で四つん這い。嬌声をあげ人としての姿を失っている。
 最後の一滴まで出し切った男のものが抜かれた。ぼたぼたと二人分の精液が流れだす。腕の力が抜け乳房が潰れる。へっぴり腰のまま、ヒクついた秘部を犯されましたと情けなく晒している。
 あ、あ……。
 ピクピクと、ひとしきりを支配していた快感の電流が抜け意識が戻ってきた頃、気が付いた。二人以外にも人の気配がする。


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