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中二病の後遺症
【その他 官能小説】

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変わるもの…変わらないもの…。-1


同窓会の開催されるホテルに車を止める。
宿まで取ってあるので込み入った駅近くでも車の留場に困ることはなかった。
高校時代まで過ごした街ではなく…大学時代を過ごした今住んでいるところから隣県の県庁所在地。
そこそこに大規模な都市で駅近くはそれなりに都会になっている。
学生時代にはなかったホテルだが、できたばかりで小ぎれいで居心地はよかった。
時間より少し早く着いたのでロビーでコーヒーを飲む。

「シンイチ…君…?」
一重の魅力的な眼、落ち着いた雰囲気に磨きをかけた間違うことのない女性が現れる。
「カナ…じゃないか…!」
東京駅の新幹線ホームで別れて以来…時間が止まっているのか?っと思うほどに変わってはいない…。
同時にその時の胸の痛みもちくりとこみ上げる…。
カナデは笑顔を見せる。きっと困惑してる表情を見せているにもかかわらず…。
「元気そう…ね…。」
思わず言葉が詰まる…。

「シンイチっ!」
助け舟か?っと期待するとカナエが来た。
カチカチ山のタヌキは湖に漕ぎ出たその時こういう気分だったのだろうか…。
「カナ…」
久しぶりに見るカナは中学時代より少し引き締まって見えた。
相変わらずグラマーな胸元も同時に目に入る。
っと同時に…中学時代に絶対に二人を合わせないようにしていたその記憶が全身を駆け巡る…。
10数年の時間を越えて…会わせてはいけない二人が隣同士に並んで座って視線を送ってきている…。
焦り…緊張…戸惑い…困惑…そんな感情に支配されるが…それをよそに二人は想定外に笑って何かを話し合っている…。
口をパクパクさせていたかはわからないけれど…そんなおかしな表情をしていたのに気付いたカナエは…。
「シンイチ〜!どうしたの〜?」
おかしなものを見るような表情でちょっと心配そうに声をかけてくる…。
「シンイチ君?大丈夫…?顔色悪いみたいだけど…。」
落ち着いた様子でカナデはカナエと目を合わせ不思議そうにしている。
二人のカナが目の前に並んで視線を送ってくる…。
それはもう心臓が口から飛び出るような気まずさで…。

「じゃ、少し早いけれど多分大丈夫でしょうし、始めましょっか。」
カナエはそういうと席を立つと伝票を手に取ってレジへ向かう。
さらに困惑しそうになるも…
「シンイチ君、行きましょ?」
カナデにそういわれるといわれるままに後を追う。
不思議なほど自然にエレベータに乗ってカナエとカナデが話しをしている。
この光景こそ全く想定外であり…もっともあの頃恐れていた光景でもあっただけに…。

レストランに入ると丸いテーブルに3脚のいす。3人分の食器が並べられていた。
「そういえば同窓会って…」
ふと口にすると…
「私たち3人だけのね。」
カナエが悪戯そうに笑って言う。
クスッという感じでカナデも目を細め妖力的にこちらに視線を送った。
まずは乾杯のロゼワイン。
一口口にするとこれが何ともなじむ味でおいしい。
が…、今はそれどころではなく、まな板の上から料理人を見る鯉の心境が手に取るようにわかる。
「そんなに一気に飲んで酔っ払おうとしてもダメだからね。」
カナエが包丁を入れ始めた。
さすがに真っ青になっていたのを見かねたのか…カナデはワインを口にしてから…
「シンイチ君、中学時代、私たち会わせないよーに会わせないよーにとすごく頑張っていたよね。」
どうやらバッサリと頭を落とすらしい…。
「バカねぇ…シンイチ。私1年の時図書委員だったの忘れてるの〜?」
はっきり言って知らん。1年の頃はまだ小学生の頃の無尽蔵な体力で体育館で暴れまわっていた。カナエやカナデとのんびり過ごすようになったのは2年からだ。
「ずっとね〜そんなシンイチ君見ていてどっちが選ばれるのかな?って話してたのよ。」
笑劇的な事実。いや、衝撃的。
思い出を楽しく話すようにカナデは優しく微笑みながら話す。
「でも…私は負けちゃって…シンイチから身を引いたの。」
「カナデの胸は触ってるのに私の胸は触らなかったもんね。ず〜っと。」
カナエがそういうと確かにそうだった。
揉みたいはずの胸だったけれどカナエの胸には手を伸ばしていない。
初めてつながった時でさえもちょっと意識してなぜか触れなかった記憶がうっすらと蘇る…。
「カナエが精一杯気を使ってくれて言ってるってずっと思ってたけれど、それ、ほんとだったんだねぇ…。」
カナデも今の表情を見て今確信したらしい。
「カナデに嫌われちゃうかもって思ったけれど、せめて思いでほしくて…シンイチ君と先に…しちゃったの。」
「あの時…し終わって二人で寝てるときに…カナ…って寝言で言いながら胸を揉んできていたけれど…カナデのことだってすぐ判ったもん。」
ちょっとつらそうに笑うカナエ…。
「ど…どうして?」
恐る恐るについ聞いてみる…。
「一回も揉んでくれない胸をあんな慣れたような手つきでもまれたらね!」
ひぃ…。

どうやらまだ鯉の調理は始まったばかりらしい…。


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