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中二病の後遺症
【その他 官能小説】

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同じ窓の下で。-1


中学二年。
できないことは何もないと思い込み、すべてにおいてやればできる。
そう信じていたそんな時代…。

「シンイチ〜おはよ〜。」
げた箱で靴を履き替える時後ろから声を掛けられる。
ショートカットの中学生にしてはグラマラスな胸、ちょっとだけ絞り切れない感じだが太ってはいない。カワイイ感じの性格なカナエ。
彼女とは小学から一緒だったが、中学になってよく話し、遊ぶようになった。
「あ〜…おはよ〜カナ。」
眠気抜群なけだるそうな声で挨拶を返す。
彼女はクスりと笑い…
「また夜更かししてたんでしょ〜?」
悪戯そうに笑いながら言う。
靴を履き替えて教室に向かう。

「あ、シンイチ君、おはよう。」
長くキレイな髪、バランスは良いがちょっとやせ型の体系。一重の魅力的な目を持つ同い年にしては少し落ち着いた雰囲気なカナデ。
「お?おはよ〜。」
こちらは普通に挨拶を返した。
教室の近くの廊下ですれ違う。
カナデは中学に入ってからの同級生で小学校は別の地区。
カナエとは同じクラスだが、カナデとは別のクラス。
ちょっとしたきっかけで知り合い、言葉を交わし…交友を深めていった。

教室に入り早速カナエにつつかれる。
「カナデさん、かわいいよねぇ…。シンイチ、鼻の下ちょっと伸びてるっ!」
偶然にもカナエと席が前後なので、何かあると後ろからつつかれる。
たいてい他の子とちょっと話とかした後はシャープペンシルで。

お昼休み。食堂で給食を食べると教室のベランダから非常階段に移動。
この学校で一番涼しい場所で、1学年3クラスの構成だがこの時は2クラスで足りていたので物置になっている教室をベランダ越しに通り過ぎて非常階段に行くので誰かいることはまずなかった。
鉄製の非常階段が、コンクリートの校舎とつながっている。
校舎側のコンクリートの部分が少し広くなっているのでのんびりしていると…。
「シンイチ〜み〜つけたっ♪」
カナエがやってくる。
他愛もない話をしつつ休み時間を過ごし、時にはじゃれあったりとする日が多かった。

カナエと過ごす昼休みが多かったが…木曜日だけは例外で、図書委員となんかやらされて、生徒たちの貸し出しの管理などを行うため昼休み図書館に行き、カウンターの中でのんびり読書をする名目。
そう、図書館に一緒にいるのは、カナデだった。
返却された本やテーブルに放置された本を本棚に戻すというそこそこにめんどくさい作業もあったけれど、本棚に返しに行く作業をしながらカナデとじゃれあったりして過ごした。
放課後も部活前の委員会活動で図書室の清掃、新しい本の管理、傷んだ本の修繕など各クラスから一人しか来ないので少人数で結構な作業になる。
これを他の学年の子たちと分けて作業するが少し多めに作業するといい他の子たちを先に返してはカナデと時間を作る…。
ちょっとしたきっかけはまさに図書委員に抜擢されだるそうに図書館に集まった時にカナデを見て1年も気にならなかったのにとっても気になる存在になってしまった。

そう。
この中二病は二人の女子と同時に付き合いバレないように楽しくやるということに。
簡単に言えばフタマタにその何でもできそうな力を使っていたのであった。
たった二クラスしか学年にいないのに何とも無謀な試みなのだろうか…。

それでもお互いぶつかり合うこともなく平穏に中学時代は流れる…。
自分がうまくやっているからともに問題なく過ごせている…そう信じて疑わなかったあの時代…。
ただ…少ない小遣いで賄えるものではなく…親BANKという夜中にスリリングな財布からの引き出しもこのころにしか利用できない特殊金融機関であろうか…。
あるいは必要枠と割り切っておいておいてくれたのかも…知れない。


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