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桃子〜愛と悲しみと憎しみと〜
【ロリ 官能小説】

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最終話 そして桃子は。-2

「父親に犯されました、同級生の三人にも奴隷のようにされました」

 桃子が向かったのは交番。
 夢遊病者のようにふらふらと現れた桃子、その口からそんな言葉が漏れると、警察官は顔を見合わせた。
「辛いかもしれないけど、詳しく話してくれる?……」

 桃子の膣内から父親の精液が採取され、DNA鑑定に回された。
 そして桃子の証言を受けて、警察官がリュウジの家へと向かった、スマホから画像や動画が見つかるだろう、本人たちの顔は写っていないだろうがリュウジのスマホで撮影されたことは明らかだ、そしてそれらは証拠としての役目を終えれば永久に葬り去られるはずだ……。
 



 今、桃子は施設で暮らしている。
 父親が刑務所に入った後、母親は引き取りに積極的には見えなかった、その様子を見て桃子も拒否したのだ。
 
 桃子はもう以前のうじうじ、おどおどした桃子ではない。
 桃子を犯し、心と体を痛めつけた例の三人は小学生と言うこともあって保護観察処分を受けただけ、学校側も事件が表沙汰にならないように手を回そうとしたが、桃子はクラスメートに話したのだ、自分が何をされたのかを。
 二学期が始まると、事件は学校中が知ることとなり、いたたまれなくなった三人はバラバラに転校して行った。
 しかし桃子はそれでは済まさなかった、転校先の学校まで押しかけて言いふらしてやった、自分が輪姦されていたこともばらすことになるが、そんなことはもうどうでもいい、例の画像や動画の元データは警察から譲り受けているし、中には三人の顔が写ってしまっているものもある、何となればそれすらばらまいても構わないと思っている。
 そしてとどめを刺した父は刑務所の中、いつ出て来られるか知らないが、出てきたところで立派な前科者だ、仕事からあぶれようが野垂れ死にしようが知ったことではない、もう赤の他人なのだから。

 桃子は自分で復讐を果たしたのだ、それだけの力が自分にあったことを感じた桃子は、何にでも立ち向かえる勇気を自分の中に見つけた。
 それまでのみじめな人生を自分でリセットしたのだ……。


 その後、桃子は施設で暮らしながら総合高校に進学して商業を学び、卒業後は小さな会社で経理や事務の仕事をしながら夜はホステスとして働いた。
 ホステスとしての桃子はなかなかの売れっ子だった、そもそも若くて胸も大きく、適度に脂のついた官能的な体は武器になる、その上であまり冴えない顔も官能的に見せるメイクを工夫したのだ。
 腫れぼったい一重の目は少し垂れ気味に見せ、小さいけれど厚めの唇は赤いルージュで強調し、上気したような感じに見えるように頬紅をさす、そして笑う時は少し眉を寄せるように心掛けた、美人ではないが愛嬌があり官能的でもある、いわゆる男好きのするタイプを狙ってのことだ。
 そしてお得意になりそうな客には迷わず体を与えた、桃子の体を味わい、セックス中の桃子の表情を見て、その反応を知れば、男は桃子とのセックスを離したくなくなる。
 その上でフェラどころかイラマまで受け入れられアナルもOKなのだ、セックスに関して言えば桃子はオールマイティなのだ、一度捉えた男は手離さない。
 それはつまり一度掴んだ客は離さないと言うことでもある。

 そして今、桃子はホステスとして働きながら大学の商学部に通っている、将来自分の店を持ちたいと考えているのだ。
 恵まれているとは到底言えない家庭に育ち、クラスメートや父親に蹂躙された、それはもちろん辛い経験だが、桃子はそれを生かして着々と成功への道を辿っている。

 雑草には、踏まれても踏まれても起き上がる強さがある、そして小さくとも美しい花を必ず咲かせて種子を残す。
 さんざんに踏まれ、それに耐えて育って来た桃子、そして自分を踏みつける足をはねのけた桃子、彼女には雑草の強さが備わっているのだ。


     (終)


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