投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

sleep paralysis
【ホラー 官能小説】

sleep paralysisの最初へ sleep paralysis 2 sleep paralysis 4 sleep paralysisの最後へ

金縛り-3

(……今の、何?)


大きな手のひらが、泉の左の頬を撫でた感覚。


だが、目を開けても見慣れた天井があるだけ。コチコチと掛け時計の秒針の音だけがやけに響く。


エアコンをつけられないまま金縛りにあったので、この部屋は暑いはずなのに、泉の全身は鳥肌がブワッと広がっていた。


(とにかく、この状態をなんとかしないと!!)


そう思うも、やはり石のように固まったままの身体。かろうじて動かせるのは眼球のみとなんとも心許ない状態だ。


初めて経験した金縛りに、泉は恐怖を感じずにはいられない。


あんなに信じなかったオカルト現象も、もしかしてあるのでは、と嫌な予感がし始めた。


この視界の端に、誰かが現れたら?
身体に誰かが乗ってきたら?
首を絞められたら……?


泉はあまりの恐ろしさにギュッと目を閉じた、その瞬間だった。


(……っ!!)


唇に柔らかな圧迫感。しかもわずかに上唇にチクチクする感覚が。


多分それは、男性のヒゲのような感触。


最近こそご無沙汰であったが、これは紛れもなくキスの感覚であった。


sleep paralysisの最初へ sleep paralysis 2 sleep paralysis 4 sleep paralysisの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前