同棲生活-1
１３．同棲生活
次の日の午後に博康がアパートに帰宅すると、カロリーネが「今後必要になる衣類と学校の教材を、一旦母親の所から運んで来たいの」と言う。そのため博康も荷物運びを手伝うことになった。
マルメ中央駅の駅前バスターミナルからバスで約３０分かけてカロリーネが母親と一緒に住んでいる住宅地に着いた。
一帯は緑と池と遊歩道に囲まれた高級なレジデンスエリア。
カロリーネ親子の住んでいるコンドミニアムは４LDKの大きな住居だった。
広さは１５０㎡近くあると思われる。日本で５０㎡前後の狭いマンションを見慣れた博康にとっては夢のような豪邸だった。
カロリーネは、旅行用の大きなリュックサックを取り出して、それに手早く必要な物を詰め込んで行く。何日分もあるような衣類、下着類、そして学校の教材でリックが一杯になるまで詰め込んでいく。
荷物を詰め終わり帰る頃になって、カロリーネの母親と男が帰宅した。
母親は「あなたやっぱり出て行くのね」とカロリーネに一言言っただけ。
博康にはろくに挨拶もせず、２人ともすぐに部屋に閉じこもる。博康はずいぶん冷たい母親だと感じた。
一杯に膨らんだリックを博康が担ぎ、カロリーネは教科書や辞書を詰めたショルダーバッグを担いで帰路を急いだ。
アパートに戻った博康とカロリーネは、先ずはカロリーネの持ってきた荷物を片付けた後で、今後のことについて話し合った。
博康は、奨学金と親からの仕送りで生活している身の上のため、今後も無駄使いはできない。
カロリーネの方も毎月父親から振り込まれてくる養育費と国からの奨学金、それに週２回合計６時間の病院での清掃アルバイト収入に頼っている。
２人の今後の生活は、決して楽でないことが容易に想像できた。そしてこれからはお互いに贅沢をせず、生活費を節約して行くことを確認しあった。
その日の夜。これからの２人の生活の前祝いということで、博康とカロリーネは簡単な夕食の後で、博康が以前買っておいた安いワインで乾杯した。それでもこれからの新生活に向かう２人にとっては、まるで最高級のシャンペンのような飲み物だった。
ワインを飲み終わった博康とカロリーネの２人は、ベッドへと急行した。そしてお互いに貪り合い、くたくたになるまで合体の喜びを感じ合った。
こうして博康とカロリーネの甘い同棲生活が始まった。まるで結婚したてのカップルのような、新鮮で甘酸っぱい毎日だった。
博康は、夕方３時頃大学院の授業が終わった後、大学の図書館に寄るようになる。 そして図書館でたっぷり２〜３時間かけて授業のおさらいをし、英語でのレポート作りに励むようになった。
カロリーネの方は、毎日授業を終えて午後3時には博康のアパートに戻り、授業のおさらいをした後で、２人のための夕食作りをする。夕食と言っても贅沢はできないので、鍋とフライパンを使ってできる簡単な炒め物と野菜サラダだけだった。
けれども勉強で疲れて６時半頃帰宅する博康にとっては、いつも最高のごちそう。カロリーネに感謝する毎日だった。
夕食後、お互いに翌日の授業に向けて予習をし、９時頃には終える。その後でカロリーネが、翌日のランチ用にパンにサラミやチーズを挟んだ簡単なサンドウィッチのパックを２人分作ってくれる。そんな彼女のやさしさに博康は感謝の連続だ。
テレビの無い生活に最初はちょっと不満だったカロリーネもそんな生活に慣れてきて、暇な時にはパソコンを開いてネット小説を読んだり、ユーチューブで音楽を聴く毎日。
毎晩１０時半頃には申し合わせたように２人はベッドインし、性の喜びを共有する。時には性欲が高まりすぎて１２時過ぎまで快楽をどん欲に貪り合う２人。
翌日は６時起きで簡単な朝食のあと通学しなければならない２人だったが、若さゆえセックスによる寝不足は、一向に気にならなかった。
もうお互いに見慣れた相手の性器だったが、先ずはゆっくりとマッサージし、指と舌を使って十分愛液が溢れ出るのを確認する。そして最後にはいつも通り力の限り合体し、強弱をつけながら長い時間をかけて男根のピストン運動を繰り返す。
時には、博康の要求に答えて、カロリーネはアヌスへのペニスの挿入を許してくれたが、これは彼女の好みに反したものだった。彼女はこの方法を好まず、不快感だけが残るのだった。
やがて２人とも正常位の戻り、ほぼ同時にオルガスムスに達した後で、２人抱き合ったまま眠りに入る毎晩だった。