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〜吟遊詩〜
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〜吟遊詩(第四部†砂漠の国ディザルト†)〜-10

━━━キンッッ!!
耳に残る金属音。それは銃から発砲された銃弾も、エアルが振り下ろした短刀も、あきらかに人間に命中したとは思えない音だった。
銃弾は短刀に弾かれその威力を失い、短刀は銃弾が直撃した所で折れて砂の上に転がった。
(コイツ、銃 何丁持ってんだ!?)
飛び道具に対し、生身の人間とは分が悪すぎる。
エアルは直ぐにナオから離れた。
(最初に弾いた銃……どこだ!!)
エアルは砂に足を取られながら走った。その背中に容赦なくナオは銃を撃ちつけてくる。肩に何発かかすったがそれほどの傷ではない。
狙いを定められないように身を低くし、転がりながら銃を手にした頃には エアルは砂まみれになっていた。
ナオの銃はやたら大きく、やたら重かった。エアルは反撃に一発 放ってみた。
━━ドュキューンッ!!!
撃った反動でエアルが倒れる。肩が外れるくらいの衝撃。
エアルが撃った銃はとても大きなハンドガンで、ナオのお気に入りのものだった。45口径、玉は口紅大の大きさにもなる。当たれば的は大方くだけ散るだろうし、撃った方の衝撃も相当なものだ。
なまじ、銃など持ったことのないエアルに使いこなそうなど、天と地が引っくり返ろうが無理なことなのだ。
「プッ…クククッッ」
エアルとは逆にに銃弾がかすりもしなかったナオは、吹き出しそうになるのを堪えていた。
「俺の女(銃)はワガママだぜ?言うこと聞かそうなんて100万とんで75年早いわ!!フッ」

「こんな威力がある銃、いったいいつ使うんだよ!!狩猟でもするつもりか?」
肩を擦りながらエアルが立ち上がった。
すかさずナオが一発撃ち込む。
━━キュンッ!
エアルの腕に銃弾が当たった。
「ああああぁぁっっ!!」
左腕を押さえながらエアルは砂に倒れ込んだ。押さえた指の隙間から赤い血が滴り落ち、渇いた砂に潤いを与える。
「1度目は恐怖と警告。2度目は絶望と死…」
ナオはそう言いながらうずくまるエアルに銃口を向けた。
(絶望か……───ごめん。ユノ…)
真っ暗な視界の中、ナオの声がやたら響く。
「good bye.ブラインドチェリーの雑魚キャラ…」
ナオは不気味に黒光するサングラスの下でニヤッと笑い、引金を引いた…。
━━━キュ───ンッ!!


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