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〜吟遊詩〜
【ファンタジー その他小説】

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〜吟遊詩(第四部†砂漠の国ディザルト†)〜-1

〜あらすじ〜
今回はこの物語のヒロイン(つーか主人公だし…)である私、ユノの口からあらすじを紹介させていただきます★
千年前……世界では一つの石を巡って、天と地を割く程の戦いが生じた。
石の名は『ブルーストーン』。
悪の組織ブラインドチェリー(BC)と石の守り主達との激しい戦いの末、現在ブルーストーンは地球のどこかに封印されているらしい…。
はっきり言って、こんな千年前の…つまり私が生まれる前の話はどうだっていい。重要なのはその石の封印を私が解かなきゃならないってこと。
今まで運命とか宿命とか信じてなかったけど、捨て子であった私の運命は生まれる前、それこそ千年前から決まっていたみたい。
自分の過去を知るため、BCに殺された(本当は私が刺したんだけど…)育て親のじぃちゃんの仇をとるため、私はブルーストーンの封印を解く鍵となる『メインブロック』を集める旅に出かける事になった。
メインブロックは世界に4つ散られている。
一つ目のメインブロック【DALIAN-ダリアン-】をクロック・カットで手に入れた私は、更にそこでメインブロックの『持ち主となる人』と思われるエアルと言う男の子と出会った。エアルはユノと同様、暗い過去を背負っていた。
BCの陰謀とは言え、私は大好きなじぃちゃんを刺し殺した。エアルもまた過去に人を殺した事があった。そんな共通点も助け、私達は仲良く(?)二つ目のメインブロックを探しに、砂漠の国『ディザルト』に到着したところであった………━━━。ではここからは第四部をお楽しみください♪

━━━━━……
 広がる砂漠。舞う砂埃…。地面から発散される熱が周りの風景を歪ませている。
ギラつく太陽の元を二匹のラクダが歩く。もちろん背に人を乗せて。
ラクダが踏みしめてできた足跡は直ぐに風に拐われ、元の平坦な砂に形を変えた。
「ケホッケホッ……」
「ユノ、大丈夫か?」
そう言いながらエアルはユノに水を渡した。
「平気。砂が少し入っただけだから…何か風が強いね」
ユノは水を一口含むと、今来た道を振り返った。
「本当に異常だよ。この風の強さは…。もう少し近くまで俺の城の飛行船で来れば良かった」
二人はクロック・カット城を出たあと、準備されていた馬車で飛行場まで行き、それから飛行船でクロック・カットとディザルトとの国境まで来たのだった。
「でも、城のシンボルがあぁでかでかと入ってたら目立つじゃん」
ユノは笑って言った。
「……確に」

 ディザルトは砂漠の国だ。
そしてディザルトもまた、クロック・カット同様にインテリオキングダムを囲む国の一つである。つまりメインブロックがあるとされる国。
「しかし…ここはクロック・カットとは違って広い国だから、どこにメインブロックがあるか検討もつかねぇ」
エアルがボヤいた。
「あの町でそれとなく聞いてみようよ」
ユノが目の前に小さく見える町を指さし、提案した。
近くの町は小一時間ほど前から見えていたが、何せ平坦な砂漠ゆえ いくら前に進めど、一向に町に近付いている気がしない…。
「あの町、蜃気楼だったりして…」
「まぁ有り得ない話ではないな」
二人は疑心暗鬼になりながら更に歩き続け……
━━1時間後━━……
 「はぁーやっと着いたね…」
見えていた町の入り口までようやくたどり着いた。
そこには、何やら木でできた丸いアーチが掛けられていて、町の名前が書いてあった。外国の文字に加え、砂で薄れてしまっているのでユノ達には読むことができなかったが、地図で見る以上 そこは【月降る地】と呼ばれているらしかった。
「綺麗な名前だね」
「まぁ…そんな様子はミジンも感じられねぇがな。月って言うより砂降る地って感じ」
 しかし、予想以上に町は拓けていて人が溢れていた。
乾いた砂漠の真ん中にあるとは思えないほどに普通の町と変わらず、市場は店先までテントが張られ食べ物などが売られていた。


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