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梨花
【その他 官能小説】

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梨花-50

 「なんだか怖いな」
 「はずせないって言ったってピアスなんてちゃちなもんさ。いざとなればペンチがあれば簡単に切れる」
 「それじゃ貞操帯の代りにはならないわね」
 「え?」
 「セックス出来なくなるような場所に付ければ貞操帯の代りになるなって思ったの」
 「お前、そんなことされたいの?」
 「別にされたくないけど、そう思っただけ」
 「それは、一つの卓抜なアイディアとしてしまっておこう」
 「え?」
 「だから俺が長期旅行したりするような事情が出来た時にはそういうのをやるのもいいかも知れない」
 「そしたらオサムのチンポにも大きな鈴を付けてね」
 「馬鹿。そんなこと出来るか」
 「玉が押されて痛いから?」
 「馬鹿。具体的にイメージするんじゃないよ。唯の冗談話なんだから」
 
 結局ピアス専門店に行って相談すると、細くて短い金のチェーンを左右のラビアの穴に通し、更にそれを鈴の取っ手に通して他方の端に半田付けすれば性器から少しぶら下がる格好になるのでセックスの支障にはならないだろうと言われた。すると下着を穿かなければブラブラ揺れるので本当に歩くたびに音がするだろうという。
 「下着を穿くと音はしませんか?」
 「するけども籠もって小さい音になるから余程気をつけてないと聞こえんでしょう」
 「なる程、それはいいな。小さくなったり大きくなったり、自由に音が調節出来る訳だ」
 「そうですね。大きい鈴を付ければ音もかなり大きくなるけれども、それは余り実用的じゃ無いでしょう」
 「うるさ過ぎて?」
 「いやいや。大きいとどうしてもチェーンを太くしなければならないし、従って穴も大きくしなければならないでしょう。そこに重い物をぶら下げれば穴がだんだん裂けて、しまいに破けて取れる可能性がありますね」
 「ああ、なる程」
 「せいぜい直径1センチくらいまででしょうね。時々付けるだけっていうんならもっと大きいのでも大丈夫ですけど」
 「それじゃその、直径1センチを付けようか」
 「うん。なんだか面白そうね」
 「お前度胸いいな。痛いぞ」
 「そうでも無いです。チクチク針を刺して痛点じゃない所探してやりますから。でも痛いは痛いですよ。穴開けるんだから」
 「痛点探してそこにブスッとやって下さい」
 「厭だぁ、そんなの」
 「痛点は駄目なんです。生理的なと言うか肉体的な拒否反応が起きて収まりが悪いんです。ピアスをしても定着しませんね」
 「そんなもんですか」
 「ええ。やっぱり痛いっていうのは体の拒否反応なんですね」
 「それじゃなるべく痛くない所にやってやって下さい。な? 俺は優しいだろ」
 「今更遅いのよ」
 「それでご主人はご覧になりますか?」
 「何を?」
 「施術を」
 「いやいや。俺はこいつが痛がる所を見るなんてとても出来ない。そんな冷酷じゃないから」
 「何言ってんの。私にひいひい言わすのが好きな癖に」
 「ひいひいの質が違うの」
 「じゃまあ、ご主人はそちらでお待ち下さい。30分も掛かりませんから」
 
 オサムは実は注射も怖いくらいの臆病でピアスと言えば注射の針よりずっと太いはずだから、想像するのさえ厭だ。実際にピアスをしてくれる所まで来るには来たが、梨花がほんの少しでも気が進まない素振りを示せばやめにするつもりでいたのである。しかし、梨花は自分で耳に穴を開けたというくらいだからむしろ面白がってやる気まんまんである。それでとうとう実際やることになったが、オサムは梨花の悲鳴など聞きたくも無いので、男がそちらでと指定した隣の小部屋からも出て外で煙草を吸っていた。20分もすると看護婦の服を着ている助手の女がオサムを呼びに来た。施術室にいるというので入って行くと、梨花は上半身だけ起こしてベッドに座っていた。足は30度くらいに拡げて投げ出している。その股間に金色の鈴がぶら下がっていた。


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