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【箱庭の住人達〜荊の苑〜】
【学園物 官能小説】

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第四話-3

 暫くされるままになっていた孝顕は、持て余している時間を潰すように佐伯の足首をつつと中指の先でなぞり上げた。脹脛(ふくらはぎ)に五本の指先をあて、さらさらと動かす。そのまま膝へ回し、膝頭をくすぐると再び足首へ降ろした。薄いストッキングの滑らかさを感じながら、同じ動作を殊更ゆっくりと繰り返した。
「ん……」
 口付けを続けている佐伯が吐息を漏らした。羽で撫でられるようなくすぐったさに体の奥がじんわりと熱を帯び始める。性的な含みを感じない動作の筈なのに、視界の端に納まる少年の細い指先は妙に艶めかしく見えた。不安に揺れる生徒を慰めながら、はしたない欲望を膨らませる自分のどうしようもなさが、佐伯の内にほの暗い愉悦を呼ぶ。
 次第に落ち着かなくなっていく教師の下半身を確認し、孝顕は指をタイトスカートの中へと潜り込ませた。腿の外側からガーターストッキングの縁にそって指先を滑らせる。時折素肌にも手を這わせ鼠蹊部(そけいぶ)ギリギリまで指を伸ばすが、ただ触れるだけの動きには全く色が無い。
「夜刀神君……」
 じれた佐伯が小声で促しても、スカートの中をゆるゆると這い回る手つきには変化が無かった。
「……ねぇ」
 孝顕への口付けを繰り返しながら、片方の太股を軽くゆらして催促する。見上げると佐伯の眼が期待に揺れていた。
「連絡できなくてすみません、先生……」
 極微かな感情を滲ませた言葉を吐き出し、孝顕はやっと佐伯の秘所へ指をのばした。下着は染みが出来ているのではないかと思う程濡れている。
「ぅん──……」
 佐伯の口から小さく吐息が漏れた。
 クロッチの脇から差し入れた指に溢れる淫液を絡め、肉芽をくるくると撫で回せば、さらに悩ましげな声が孝顕の頭上から零れ落ちる。
「はあ……。いいのよ、夜刀神君……、んっ! ぁああっ──っ!」
 一指し指で肉芽を弄りながら、中指を膣内へ滑り込ませるとほとんど同時に柔襞が収縮する。じれていた佐伯は軽く昇りつめた。
「もう駄目……。夜刀神君、早く……」
 息を荒げながら少年を一度開放して佐伯が立ち上がる。スカートをたくし上げる彼女に構わず孝顕は下着を引き下ろした。スカートの中に頭を入れ両の親指で軽く柔肉を押し広げると、食いつくように淫唇を蹂躙する。
「んんっ! あ、あっっ……っ、――っ!」
 突然の強い刺激で佐伯の腰が揺れた。咄嗟に指を噛み、溢れた淫声を慌てて押え込む。
 膝が揺れて時折崩れ落ちそうになる彼女を下から支えながら、孝顕は指と舌で容赦なく責め続ける。教師の羞恥心を煽るために、殊更大きく下品な水音を響かせた。
「や、夜刀神、くん……。やと、がみ、くん……。……だめ……早く、中に欲しい」
 脚の力が抜けて床にへたり込んだ佐伯が、孝顕を自分に引き寄せながら甘い声で強請る。行動のわりに孝顕の瞳は凪いだままで、それがまた小憎らしく彼女をどうしようもなく煽った。
「やとがみくん……」
 淫液でてらりと塗れる孝顕の唇に自分のそれを合わせ、構わずに舌を差し込んだ。狭い空間で器用に逃げ回る孝顕の舌を追いながら、ついでの様に歯列や上顎をなぞりあげる。
「ん、んん……」
 意外と思い通りにはさせてくれない少年に欲望をさらに募らせ、佐伯が吐息を零した。腹いせとばかりに制服の中に片手を滑り込ませると、ワイシャツの上から小さな尖りを探り当て指先で刺激する。
「っ……」
 孝顕が一瞬息を乱し、目敏く感じ取った佐伯の口の端が満足げに引き上がった。強く、弱く、適度に力を加減しながら指先で硬くしこる粒をいじり続ける。


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