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ケイの災難
【コメディ 恋愛小説】

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ケイと圭介の事情(序章)-4

ホント、香澄先輩の人気って凄いよ。たったこれだけの事で男連中から総睨みされるんだからなぁ…。
圭介は自分の席に座ると視線から逃げるように机に突っ伏した。
智香と香奈子が香澄に挨拶をし香澄が挨拶で答えている時に、香織はいきなり「お姉ちゃん、どうしたの?」と話しかけた。
「香織ちゃん、昨夜やった宿題の英語のノート私の部屋に忘れていっちゃったでしょう。だから届けにきてあげたのよ」
香澄は微笑みながら英語のノートを香織に渡した。
「そういえば昨夜、お姉ちゃんに英語の宿題を教えてもらってて終わったらそのまま部屋に戻って寝ちゃったんだっけ…」
あはは…と照れ隠しの乾いた笑いで自分のミスを誤魔化しつつ香澄に感謝する香織と「気にしないで」と言いながら優しく微笑む香澄だった。
「あら、このモデルの方って…」
香織の前に開かれた雑誌にふと視線を落とした香澄だったが、その視線の先に見知った女性が載っているのに気付き指で指し示した。
「お姉ちゃん、ケイ知ってるの!?」
「ええ。ケイさんとはよくメールや電話でお話ししてますよ。でも驚きましたわ。ケイさんはモデルさんだったのですね」
口に手を当てて驚く香澄に対して、姉の意外な交友関係に「本当にっ!?」と派手に驚く香織。そして香澄を見ながら「灯台下暗しね。でも、朱鷺塚先輩とケイさんが並んでるところは絵になるかも…」と腕を組み一人頷く香奈子。更に、そんな3人を余所に「お兄ちゃんが香澄先輩とそんなに仲が良いなんて知らなかったよ」という表情で訝しげな目つきで、後ろの席で机に突っ伏してる圭介を睨む智香の姿がありこうして昼休みの時間は過ぎていった。
 
「ふーっ…やっと終わったぁ」
睡魔と闘い続けたかったるい午後の授業も滞りなく終わり、圭介は鞄を持ち帰ろうとすると先程まで寝ていた筈の幸司の姿がないのに気付いた香織が「中嶋どこに行った!また掃除サボりやがって!!」と吼えつつ箒を持ってこっちに向かってきた。
「相沢、中嶋知らない?」
「中嶋?ああ、知ってるけど。中嶋幸司。2‐Bの生徒でサッカー部在籍。人柄と頭の中は一言でいえばアホってとこか。で、その中嶋がどうした?」
思わず香織が顔を顰めて額に手を当てた。
「相沢…あんた、たま〜に訳のわかんない反応するよねぇ……まあ、いいや。それで中嶋がどこに逃げたか知ってる?」
「ああ、もう部活に行ってんじゃないかな。大会が間近だって言ってたからな」
そう…と香織が呟くと、これから帰ろうとしてる圭介をマジマジと見つめ手に持っていた箒をにこやかに突きつけてきた。
「相沢くん、暇そうねぇ。中嶋の代わりに掃除していかない?いや、むしろしていけ…」
「無理!人の代わりに掃除をしちゃいけないって○ーポくんから言われててさ」
あまりにも無体な要請に俺は思わず訳のわからん返事をしてしまっていた。しかし、そんな事はお構いなしにと朱鷺塚の笑顔が近づいてくる。正直、その笑顔がとても怖いですよ朱鷺塚さん…。
「ピー○くんって…そんな事はどうでもいいわ。早く帰りたかったらさっさと手伝いなさい!」
逃げようとする俺の制服の襟首を掴んだ朱鷺塚は、抵抗する俺をお構いなしに引きずっていく。ああ…朱鷺塚よ、お前のその細い身体のどこからそんな力がでるんだ。
「いやぁ〜!やめて、朱鷺塚さん。私の純潔だけは奪わないでぇ〜」
「ばっ、バカな事を言わないでよ!そんな恥ずかしいこと大声で叫ばないで!」
身悶えながら発する圭介の一言で香織の顔は真っ赤になり動揺する様が一目でわかったが、それと同時に圭介を掴む手にも更なる力がかかったのでこれ以上バカなことを言うと生命の危機に瀕することになるので圭介は抵抗をやめて素直に従う事にした。


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