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ケイの災難
【コメディ 恋愛小説】

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ケイと圭介の事情(序章)-10

あんにゃろ…。
「…ケイ胸でかいね。何カップ?」
「え?…え!?」
一瞬奈津ねぇの事で意識が回らなかったが…今物凄いことを聞かなかったか!?
「何を…」
「あれ?聞いちゃいけなかった?そういえば智香も結構でかいし…やっぱ遺伝なのかな…」
朱鷺塚はうぅ〜ん!!と何やら唸り考えだした。どうやら胸の大きさで悩んでいる様子。
普段女ってこんな会話してんのか?何カップ?知らねぇよ…この胸偽モンだもん。
下を向いて自分の胸の膨らみを見てみる。
実際、中に入ってるのは乳がんで胸を切除した人や胸の小さい人とかが使ってるらしいシリコンのパッドで触り心地は本物に近いらしい。
ちなみに俺は本物を触った事がないので詳しい事は判んないんだけどね…。
ああっ、今はこんな事をのん気に考えてる場合じゃないよ。この場をどう切り抜けよう。
そんな事を考えつつ、朱鷺塚の問いにオタオタしてる俺に天の救いかそれとも奇跡か、友美さんと話をしてた智香が朱鷺塚に声をかけてくれたのだった。
「香織ちゃん。今から友美さんが車で送ってくれるから急いで帰る準備してだって」
ああ、我が妹よ。普段は本当に間が悪いのに今日に限って絶妙のタイミングで話の腰を折ってくれた。良くやってくれた智香。
智香に話の腰を折られ残念そうにする朱鷺塚だったのだが、すぐに笑顔になり「それじゃ、ケイまた会えるのを楽しみにしてるね」と言うと智香達のところへ走っていったのだった。
こうして俺は危機を脱する事ができたのだが、世の中そうはうまくできてないもので、朱鷺塚がいなくなった直後に今度は奈津ねぇが後ろから俺の首に腕を絡ませてきたのだ。
「智香ちゃん達の送りは友美に任せたからケイの送りは私がしてあげようじゃない」
うわっ!この人すでに俺をイジる気満々だよっ!!
声からしてすっげー楽しそうだし…。
そして、予感は的中。帰りの車中では俺は奈津ねぇに散々からかわれたのだった。
本当にもう、疲れたよ……。


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