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虐められたくなくて
【学園物 官能小説】

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私を守れるのは私だけ-1

c学生の三年間を、私 某川いくよは、自称「超三流の女芸人」として過ごした。

まずは積極的に動いて 失敗しようが、成功しようが、とにかくクラスのみんなに笑ってもらえるキャラクターを演じ続けた。

理由はただ一つ、「虐められたくなかった」から。

別に私はいじめられなかったし、学校自体にもいじめはなかった。
だけど、報道されるいじめの記事を見ると、
「私、こんなことになったら とうてい耐えられない!」と一人で勝手にパニックになって、より一層自己防衛のために女芸人キャラを強めていったんだ。

   ○

でも、k校に進むとき 私はそんなキャラでいる事がイヤになった。
もともとの私……「目立たない私」になることにした。
だから私 同じ学校の連中が入って来そうにないk校を選んで、前と違った自分で過ごしていこうとした。

ところが…… 新しいクラスが決まって、とりあえず「仮のクラス代表」を決めることになった。
出席番号でもって投票をしたら、なぜか私が仮の代表に選ばれてしまった。

こいつら、私の何を知ってるって言うんだ……

そう思いながらも「本当の委員を決める選挙」までの辛抱だと思ってると、そのまま私は委員長にされてしまった。
私 目立たない私でいたかったのに、一番目立つ立場になってしまった。

委員長になって、色々と学校の裏情報が入ってくる。
当たり前だけど、私の入ったk校にはいじめの話は聞かなかった。
もっとも、この学校にも闇はある。
おトイレの個室の中で、汚物入れをチェックしてみると 未使用のナプキンに包まれた使用済のコンドームや、タバコの吸殻が高確率で見つかってしまう。

表だっていない いじめもあるに違いないんだ。

特に私のクラスには、某沢クンというとんでもない男子がいる。
格闘部に所属してる彼は、コワモテでイカツイ。
体幹のためだと、ふだんは一本歯の下駄をはいて 下駄の音をさせずに校内を歩き回っている。そして授業も背もたれのない椅子で受けている。
部に入った時から、先輩たちさえ圧倒する威圧感があるらしい。
もちろんそんな彼とて スポーツに関わってるんだから、いじめなんかに手を出すとは思えないけど、時々こんな会話が聞こえてくる。

……「おい、某野!」
「なんですか、某沢さん。」
「次の時間、地理の資料集貸してくれよ。」
「え、俺も使うんですけど?」
「お前は横に見せてもらえばいいだろう。俺が忘れたら先生に目立つんだよ!」
「はい、わかりました。」……

こんな彼が、いったんいじめ側にまわったら 私なんかひとたまりもないに違いない。







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