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[有害図書]
【鬼畜 官能小説】

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[有害図書・前編]-8

(なによ、もう……これじゃ追いついちゃうじゃない…ッ)


早く辿り着きたいけれど、前方の亜季には会いたくない。
だからといって遠回りをするつもりもない愛は、速度を維持したまま裏道へと入った。


改めて見ると、狭く折れ曲がった裏道は高い塀や生垣が続き、かなり人寂しい道である。
車通りは皆無であり、玄関をこちらに向けた家は一軒も見当たらない。

……と、曲がり角の向こうに現れたのは薄汚れた白い1BOX……その車は地震でもないのに
不自然にユラユラと揺れていた……。


(な、なに?あの車…!?)


あの車内で何をしたら、あんなに激しく揺れるのだろう?
不思議そうに見つめる視線の先には、さっきまで追いつきそうなくらいに距離が縮まっていた亜季の姿が無くなっている……。


(……えッ!?ちょっと…まさか……!?)


あの揺れは、車内に連れ込まれた亜季が暴れているからじゃないか?
不意に愛はそう思った。

例えばドアが開いていて、何か荷物でも積み込んでいるのならグラグラと揺れよう。
しかし、あの車のドアは全て閉まっている。
密閉した空間で、車体を揺らすほど中の人が動くというシチュエーションが、どうしても思いつかない……。


(け、警察に…!)


受け流していた不審者の情報が、いきなり現実味を帯びて愛に襲い掛かる……ガクガクと膝が震えて動けなくなった愛の背後から、静かにエンジン音が聞こえてきた……思わぬ助け船の出現に縋るような目をして愛は振り向き、そこに現れた白いセダンに向かって手を振って停止を訴える……。


「す、すみません…ッ…ちょっとお願いがあるんです!」


愛がいま感じている恐怖と焦りは、いってみれば疑心暗鬼の類いのもの。
証拠もなしに犯罪者扱いするのに戸惑いがないではなかった。


(この人達に協力してもらって……)


目の前に止まったセダンからは、自分の父親と同じくらいの年齢の男性が下りてきた。
その四人組が若くてガラの悪い人達でなかった事に安堵した愛は、なんの警戒感も抱かずに不審な車を指差しながら背中を向けた。



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