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痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

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車両の対決、星司VSジョン-2

頬を撫でた熱い風圧が吊革を揺らした。それを追うように今度は星司の手がジョンの足を弾くと、その反動を利用したジョンが、身体を回転させて左足の蹴りを繰り出した。それをも星司は見切り、空に浮いたジョンの脇腹に膝を入れたが、身体を捻ったジョンにその勢いを殺されていた。ジョンはさらに捻りを加えて星司の追撃から逃れる間際に、脇腹に打撃を加えた星司の足の腿に肘打ちを入れながら離れた。

互いの間合いから逃れた2人は、何事もなかったように対峙した。ただジョンの表情から軽薄な笑みは完全に消えていた。

「すげ…」

雄一が感嘆の声を漏らし、周りの者も2人のレベルの違いに息を飲んだ。

しかし、端から見るほど星司には余裕がなかった。

並みの格闘家が相手なら問題はない。卓逸した反射神経と常人以上の勘で能力を使わずに対応できる。しかし、ジョンの技量は星司がこれまで対峙した浅見達を遥かに凌駕していた。離れ際にジョンに肘を入れられた太腿のジンジンした疼きがその証左だった。

もちろん、心を解放して能力を使えば幾らジョンが強くても脅威ではない。問題は幸田美咲の存在だった。

(強い…)

幸いなことに、打撃によるダメージは星司だけではなかった。涼しげなジョンの額に冷や汗が流れていた。

(向こうも少しは効いてるみたいだな)

ジョンが対峙したまま仕掛けてこないのは、脇腹に受けたダメージの回復を待っているため。それを察した星司は、ジョンを牽制しながら周りの様子を探った。しかし、いつものようにはいかなかった。

(心が開放できれば…)

能力を使えないもどかしさもあったが、それを顔に出して隙を見せるわけにもいかなかった。

優子の元彼の祐治とその友人の徹夫は、人数に勝るプレイヤー達の牽制で動けないでいた。

(この2人は気にしなくていい)

問題は雄一と田川に対峙していた浅見と啓太だ。ジョンに楽しみを奪われかけた浅見が、再び手負いの雄一を得たことで残忍な笑みを浮かべているのが視界の端に映った。

今はジョンの後ろで不本意に控える2人だが、再び星司とジョンが渡り合えば、それを切欠に狭い車内の脇を抜け出て雄一達に襲いかかる事はその表情からも窺えた。

田川の足のダメージも気になるが、余裕のない星司は2人に任せるしたなかった。

星司は目の前のジョンに意識を戻した。星司のスタイルとしては、相手の仕掛けに対応してカウンターを当てる、所謂【後の先】が得意だったが…

(早く終わらせないとな)

ジョンが脇腹のダメージから回復しない内に、そしてあれから沈黙を守る幸田美咲が出て来ない内に、今度は星司から仕掛けた。

星司は一瞬の溜めを作り、勢いよく一歩踏み込むと、それを利用してジョンの顔を目掛けて足から間合いの中に跳び込んだ。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

【痴漢専用車両】は中央のメイン車両の他に、前後に予備車両を配す3両編成で構成されている。予備車両と一般車両の間の連結扉とガラス窓には簡易的なカーテンが掛けられて、中が覗けないように施されていた。さらに誤って入ってきた一般乗客に対応するため、予備車両には2、3人のプレイヤーが配置されるのが常だった。

「由香里先生、代わります」

陽子を両側から抱えた優子と由香里が予備車両に退避すると、初めに避難してきた寛子の報告を受け、連結扉の前で様子を窺っていたプレイヤー2人の内、1人が手を貸した。寛子はプレイヤーに代わって、一般車両の連結部分で待機していた。寛子の無事な姿を見た由香里は一先ずホットした。

「スカート、気をつけてね」

陽子の肩を抱える由香里が、プレイヤーと身体を入れ替わる際に声をかけた。スカートが失禁で濡れているのを示唆したのだ。

「大丈夫です」

自らの女体を提供してくれる女達。それが誰であれ、愛すべき女達の助けになるならば汚れることを厭うはずはなかった。プレイヤーは気にせずにグッタリした女体を両手で抱え上げた。

「陽子さん…」

プレイヤーに陽子を預けた優子が心配げに声をかけると、陽子の指がピクリと反応した。 



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