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美雪
【学園物 官能小説】

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美雪-20

 「お前、妹をホテルに連れ込もうとしたんだって?」
 「え?」
 「何考えてんだよ」
 「俺、本気なんだ。本気で美雪ちゃんが好きになっちゃったんだよ」
 「そりゃあ本気でないと困る」
 「もう自分でも訳分かんない程好きになっちゃったんだ」
 「だからホテルに連れ込もうとしたのか」
 「そうなんだ」
 「お前高校生の分際でそんなことして責任が取れるのか」
 「え?」
 「セックスなんていうのはまだ早すぎるんじゃないのか」
 「哲は?」
 「俺がどうした?」
 「哲はセックスしたこと無いのか?」
 「俺のことはどうでもいい」
 「どうして?」
 「俺はお前の妹と付き合ってはいない」
 「それは、俺には妹なんていないもの」
 「だから俺が誰と何をしようとお前には関係ない」
 「でも俺、今に美雪ちゃんと結婚したいと思っているんだ」
 「それじゃ今に結婚したらセックスでも何でもしてくれ」
 「辛いなあ」
 「セックスしたければ女は何処にでも大勢いるだろ?」
 「他の女となんか付き合ってないよ」
 「だから付き合ってなくてもいいんだ。セックスしたければそういうのとやればいい。本当に好きになったんだったら気安くセックスなんかするなって言ってるんだ」
 「なるほど」
 「分かったか」
 「そういうもんなのか」
 「そういうもんなんだ」


 「お兄ちゃん有り難う」
 「何が」
 「柳田さんに言ってくれたんでしょ?」
 「ああ。あいつはガバガバで性病持ちだからやらない方がいいぞって言った」
 「馬鹿。本当に好きになったんだったら気安くセックスなんかするなって言ったんだって?」
 「そうだったかな」
 「お兄ちゃんもいいこと言うんだね」
 「それはそうだ」
 「お兄ちゃんもそういう心がけであのピンクのセーターの人と付き合ってるの?」
 「そんなことはどうでもいい」
 「本当に好きだという程でもないの?」
 「だからそれはお前に関係ない」
 「どうして?」
 「あいつはお前の姉さんでも何でもないんだ」
 「そんなことは当たり前よ。だけどお兄ちゃんは私のお兄ちゃんじゃない」
 「だから?」
 「だから女の子とどんな付き合い方をしているのかは私にも大いに関係有るじゃない」
 「どうしてだ」
 「だって本気で付き合ってるのなら今にあの人が私のお姉さんになるかも知れないんだよ」
 「それは・・・」
 「でしょう?」
 「そんなのは先の先の話だ」
 「先の先には結婚したいと思っているの?」
 「先のことなんて誰にも分からないんだ」
 「だから今はどう思ってるの?」
 「お前はいつから俺の親になったんだ」
 「親になんかなってないけど昔から妹だよ。死ぬまで妹なんだから」
 「当たり前だ馬鹿。妹がそんなことに関心を持つ必要はない」
 「だって」
 「だっても糞もない。早く出て行け」
 「何で?」
 「俺の部屋の中でオナラなんかされたら堪らないからな」
 「馬鹿。そんなこと言うと本当にオナラしてから出ていってやる」
 「馬鹿。それだけはやめてくれ」
 「それじゃオナラはしないけど、お尻で呟こうかな」
 「お前の部屋に行ってからやれ」
 「私の部屋が臭くなると厭だから」
 「馬鹿。なんちゅうことを言うんだ、お前は」


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