投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

「史乃」〜それから〜
【父娘相姦 官能小説】

「史乃」〜それから〜の最初へ 「史乃」〜それから〜 38 「史乃」〜それから〜 40 「史乃」〜それから〜の最後へ

第三話-20

 午後八時──。仕事を終えた山本が、真田邸を訪れていた。
 銀行から帰宅した寿明は、昼食の後、山本の訪問に備えるべく、リビングの清掃に取り掛かった。
 空の弁当箱等は洗ってゴミ箱へ、汚れた衣類は洗濯し、床はモップ掛けした。
 そうして、清掃が終わった午後三時過ぎ。再び、史乃の居場所を確認しようと、アプリを立ち上げたところ、

 「──なんだ!?これは。」

 画面上の地図が、明らかに動いていたのだ。
 何か思いついたのか、寿明は、リビングを出て階段を駆け上がると、急いで仕事部屋に飛び込み、本棚から一冊の本を取り出した。
 彼が手にしたのは、近辺地域の地図だった。
 再び、リビングに戻った寿明は、地図のあるページをテーブル上で広げ、指でなぞった。

 「やっぱり!ここは、史乃が通う専門学校の近くじゃないか。」

 車で三十分と掛からない距離に史乃がいる──。そう思った寿明は、矢も楯も堪らず駆けつけたい衝動に駆られる。しかし、山本に、くれぐれも単独行動は控えるよう念を押されていた為、自重する事にした。
 そして今、訪問した山本に昼間の経緯を伝えたのだが、彼女はホッとした様子を見せた。

 「──相手は、先生の職業を知っていた訳ですから、顔も認識していると考えるべきでしょう。現場に向かわれて犯人と鉢合わせにでもなっていたら、最悪の事態を招いたかも知れません。」
 「確かに、君の言う通りだな。」
 「でも、何もせずに手をこまねいてるだけというのも芸が有りませんわ。ですから、知り合いの興信所に頼んで、アパートの何処に監禁されてるかを探らせましょう。」
 「そうだな。そうしてくれると、助かるよ。」

 山本は、寿明の承諾を得て直ちに興信所に連絡を取ると、仕事を依頼した。

 「これで、お嬢さんの監禁場所が判ります。」
 「金も、明日中には揃う。そうすると──。」

 話の途中で、寿明のスマホが鳴り響く。その画面には、“史乃”と表示されていた。

 「先生。打ち合わせ通りに。」

 寿明は小さく頷き、鳴り続けるスマホをながめていた。
 四回、五回とコール音が鳴る中、寿明は通話ボタンを押すことも無く、とうとう十五回目に切れてしまった。

 「──次は、四回目に繋いで、素っ気なく切って下さい。」
 「だ、大丈夫かね?却って、相手を怒らせるだけじゃ。」
 「大丈夫です。金城が情報通り、金に汚い男でしたら、早急に、身代金の受け渡し日時を決めたがってる筈です。」

 山本の言葉通り、数分も間を置かず、再びスマホは鳴り出した。
 きっちり四回、コール音が鳴ったのを見計らい、寿明は通話ボタンを押すと、

 「すまんが取り込み中だ。後で、こちらから掛け直す。」

 相手の声も聞かず、一方的に切ってしまった。
 そして、また数分後に掛かってきたが、今度は取らずに無視した。
 そうして、ついに四度目のコール音が鳴り出した時、ようやく寿明は、相手と対峙した。


「史乃」〜それから〜の最初へ 「史乃」〜それから〜 38 「史乃」〜それから〜 40 「史乃」〜それから〜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前