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「史乃」〜それから〜
【父娘相姦 官能小説】

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第三話-18

 「そう!あんたのその、人を憐れむような眼も大嫌いだった。こっちが誘う度に、その眼をして。」

 由美は怒りに任せて、史乃を突き飛ばした。
 バランスを崩した史乃は、両手を拘束されて受け身が取れず、トロリー・バッグの上に倒れ込む。

 「きゃっ!」

 バッグの縁に顔面を打ち付け、眉尻辺りから血が滲んでいる。その様子を見た由美が、嘲りの眼を向けた。

 「いい気味だ!もっと酷い目に遇わせて、その姿をネットにバラ撒いてやる。」

 血を見た由美は更に怒りを増幅させ、史乃を足蹴にしようとした。が、その時、車を置いて戻って来た金城が、止めに入った。

 「バカ野郎!大事な金ヅルに何をやってんだ。」
 「離して!こいつを殺らないと、私の気がすまないの。」

 後ろから羽交い締めにされながらも、由美は尚、史乃を蹴ろうと構える。
 すると金城は、力任せに由美を壁へ叩きつけた。
 頭から壁に激突した由美は、一瞬、意識が飛んで、ずるずると力なくしゃがみ込んだ。

 「このバカが!大金が入るから手を貸してやってんのに。そうじゃないなら、誰がお前みたいな女の言いなりになるかよ。」

 金城はそう言うと、由美の髪の毛を鷲掴みにし、自分の方へと引き寄せる。

 「それより、そこのスーパーで弁当買って来たんだ。風呂も入りたいから、用意しろよ。」
 「わ、判ったから、叩かないで……。」

 由美が、よろよろと風呂場の方へ向かうのを見届け、金城は史乃の上体を起こしてやった。

 「すまないな。あの女、加減ってもんを知らなくて。お前も、もっと酷い目に遇いたくなかったら、おとなしくしてな。」
 「い、いつ……。帰してもらえるんですか?」

 史乃は、必死の思いで訊いた。
 すると金城は両手を広げ、「判らない。」というジェスチャーを見せる。

 「さあな。お前の親父次第だ。後で連絡を取る予定だが、金集めに三日間は掛かると言ってたぞ。」
 「三日間……。」
 「だから、それまでの間、大人しくしてろ。そうすりゃ、俺達は何もしない。」
 「……!」

 金城の不気味な顔が史乃に近づき、その手が内腿に触れた。
 史乃は恐怖で凍り付き、声も出ない。内腿を触る手が、ゆっくりと上に移動する。

 「あ……。いや……。」
 「布越しでも判る。いい感触だ。柔らかいのに押し返してくる。」

 金城の生臭い息が史乃の顔に掛かり、指先が、固く閉じた太腿から次第に敏感な部分へ移ろうとした時、廊下から由美の声が聞こえた。

 「○○ちゃん!お風呂、もういいよ。」
 「ああ、判った。今、いくよ。」

 金城は一瞬、口惜しそうな顔をしたが、無言のまま立ち上がると、部屋を後にした。
 緊張が解けた途端、史乃は目に涙を溢れさせ、大きい呼吸を何度も繰り返す──。傍に金城の顔を感じながら身体を触られた瞬間、全身は粟立ち、内臓がせり上がるような吐き気に襲われた。
 大声を挙げて跳ね退けたい衝動に駆られたが、先程の弱い者に容赦ない姿を見せ付けられた後では、声さえ出せずに堪えるしかなかった。

 (由美は、あんな男と付き合って、幸せなのかしら?)

 史乃の脳裡に、由美が壁に叩きつけられた様が映り、憐憫の情が涌き上がる。するとそこに、由美が部屋に戻ってきた。


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